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年下純情攻め×年上淫乱受け ---- 真夜中に携帯の液晶が青白く光って、あの人からの着信を知らせる。 僕はわざと、今起きましたよという声を作って、電話に出る。 もちろん、僕は、この電話が来るのをじっと待っていた。 「――よう、今来れる?」 酒焼けと、その他僕の知りたくないいろんな理由で、かすれた声が僕の名前を呼んだ。 電話の向こうはひどく静かだ。 「どこにいるんですか」 「青山の、いつものホテル」 ああ、俺の家に寄って着替え持ってきて。お前もちゃんとした格好で来いよ。 それからシャーベット食べたい。 「何味が良いんですか」 僕は少しあきれながら、でも子供をなだめすかす様にやさしく、尋ねる。 「びわのシャーベット、なんてね」 彼のためだったら、存在するのかどうかも怪しいびわのシャーベットを、夜が明けるまで探し続ける。 そんな僕の性格をあの人はよく知っているのに、こうやってからかうのだ。 「わかりました。30分で行きます」 鼻にかかった少し眠そうな声が、ぞんざいな口調で部屋番号を告げて、通話は勝手に切れた。 糊が程よく落ちた白いシャツ。まだ封を開けていない買い置きの下着。 それから、途中コンビニで買い込んだあらゆる種類のシャーベットが、袋の中でごろごろと重なっている。 びわのシャーベットなんてあるはずもなくて、僕は仕方なくレモンとマンゴーとオレンジのシャーベットを買った。 告げられた部屋に入ると、あの人はベッドの上で、しわだらけのシーツに包まって眠っていた。 シーツは腰から下を隠していなかった。胸は片方はだけて、鎖骨のくぼみに影が見える。 しっとりと肌理細やかで、触るともしかしたらほのかに汗ばんでいるかもしれない、 なまめかしい足を投げ出して、僕の目に訴える。 片足を腹側にひきつけて曲げ、太ももから尻にかけて引き締まった線を見せ付ける。 その先は、上手くシーツに隠して見せない。 間接照明だけ付いた、オレンジ色に暗い部屋で、濃密な生き物の気配が立ち上っていた。 「起きてください」 すると、乱れた髪の間から、ぎょろりと目玉だけを僕に向けて、少しつぶやく。 「シャーベットは?」 僕は広いベッドの片隅に腰掛けて、目を細めた。 むき出しの足、噛み跡のついた胸を隠すように、シーツを引き上げてやる。 そうするだけで、さっきまで僕を縛り付けていたセックスの残り香が急に薄れて、穏やかな夜の空気が訪れる。 「びわのシャーベットなんて、売ってませんでした」 買って来た三つを見せる。それじゃレモン味がいい、と言うが手を伸ばそうとしない。 「食べさせてよ」 大きな枕を重ねて凭れ、半身を起こす。 一度掛けたシーツがまためくれて、へその下にわだかまった。 僕はそれを見ないようにして、木べらで掬ったシャーベットを口元へ運んだ。 親鳥から餌をもらう雛のように、従順に口をあけて、僕の手からシャーベットを食べるこの人が、いとおしかった。 セックスで嗄れた喉に冷たい感覚が気持ちいいのか、もっととねだって何口か続けて食べる。 「なあ」 不意に僕の手首をつかんで、にやりと不敵な笑みを見せる。 弾みで僕の手から木べらがシャーベットごと、みぞおちの辺りに落ちた。 「お前も、食えよ」 体温と同化して溶け始めたシャーベットをさして、笑う。 僕の後頭部にやさしく、けれど有無を言わさない強さで手を置いて、唇を寄せさせる。 僕は、うやうやしく肌に口付け、脇腹に流れた一滴も余すことなくそれを舐め取った。 舌を這わせると堪えきれないといったように、足をすりあわせた。なんて、淫らで、いじらしい。 「おれを、食べたいとは思わないのか」 僕の髪を乱しながら、熱っぽいささやきを耳元に落とす。 ほんの数十分前まで、淫らに喘いでいただろうその唇が憎らしい。 本当は、すべてをこの目におさめて、この指で触れて、唇で愛したかった。僕だって本当は。 ――この人が他の誰かのものであると、まざまざと見せ付けられる土曜日の深夜。 僕は、僕の知らない誰かとセックスした体からゆっくり離れて、新しいシャツを着せ掛ける。 「だって、あなたは僕だけじゃ、満足できないんでしょう」 甲斐甲斐しく面倒を見るのは、こうしていることで万に一つでも、 この人が僕だけにすべてを許してくれる日が来るかもしれないと、僕が夢見ているからだ。 ----   [[表示名>ページ名]] ----
年下純情攻め×年上淫乱受け ---- 真夜中に携帯の液晶が青白く光って、あの人からの着信を知らせる。 僕はわざと、今起きましたよという声を作って、電話に出る。 もちろん、僕は、この電話が来るのをじっと待っていた。 「――よう、今来れる?」 酒焼けと、その他僕の知りたくないいろんな理由で、かすれた声が僕の名前を呼んだ。 電話の向こうはひどく静かだ。 「どこにいるんですか」 「青山の、いつものホテル」 ああ、俺の家に寄って着替え持ってきて。お前もちゃんとした格好で来いよ。 それからシャーベット食べたい。 「何味が良いんですか」 僕は少しあきれながら、でも子供をなだめすかす様にやさしく、尋ねる。 「びわのシャーベット、なんてね」 彼のためだったら、存在するのかどうかも怪しいびわのシャーベットを、夜が明けるまで探し続ける。 そんな僕の性格をあの人はよく知っているのに、こうやってからかうのだ。 「わかりました。30分で行きます」 鼻にかかった少し眠そうな声が、ぞんざいな口調で部屋番号を告げて、通話は勝手に切れた。 糊が程よく落ちた白いシャツ。まだ封を開けていない買い置きの下着。 それから、途中コンビニで買い込んだあらゆる種類のシャーベットが、袋の中でごろごろと重なっている。 びわのシャーベットなんてあるはずもなくて、僕は仕方なくレモンとマンゴーとオレンジのシャーベットを買った。 告げられた部屋に入ると、あの人はベッドの上で、しわだらけのシーツに包まって眠っていた。 シーツは腰から下を隠していなかった。胸は片方はだけて、鎖骨のくぼみに影が見える。 しっとりと肌理細やかで、触るともしかしたらほのかに汗ばんでいるかもしれない、 なまめかしい足を投げ出して、僕の目に訴える。 片足を腹側にひきつけて曲げ、太ももから尻にかけて引き締まった線を見せ付ける。 その先は、上手くシーツに隠して見せない。 間接照明だけ付いた、オレンジ色に暗い部屋で、濃密な生き物の気配が立ち上っていた。 「起きてください」 すると、乱れた髪の間から、ぎょろりと目玉だけを僕に向けて、少しつぶやく。 「シャーベットは?」 僕は広いベッドの片隅に腰掛けて、目を細めた。 むき出しの足、噛み跡のついた胸を隠すように、シーツを引き上げてやる。 そうするだけで、さっきまで僕を縛り付けていたセックスの残り香が急に薄れて、穏やかな夜の空気が訪れる。 「びわのシャーベットなんて、売ってませんでした」 買って来た三つを見せる。それじゃレモン味がいい、と言うが手を伸ばそうとしない。 「食べさせてよ」 大きな枕を重ねて凭れ、半身を起こす。 一度掛けたシーツがまためくれて、へその下にわだかまった。 僕はそれを見ないようにして、木べらで掬ったシャーベットを口元へ運んだ。 親鳥から餌をもらう雛のように、従順に口をあけて、僕の手からシャーベットを食べるこの人が、いとおしかった。 セックスで嗄れた喉に冷たい感覚が気持ちいいのか、もっととねだって何口か続けて食べる。 「なあ」 不意に僕の手首をつかんで、にやりと不敵な笑みを見せる。 弾みで僕の手から木べらがシャーベットごと、みぞおちの辺りに落ちた。 「お前も、食えよ」 体温と同化して溶け始めたシャーベットをさして、笑う。 僕の後頭部にやさしく、けれど有無を言わさない強さで手を置いて、唇を寄せさせる。 僕は、うやうやしく肌に口付け、脇腹に流れた一滴も余すことなくそれを舐め取った。 舌を這わせると堪えきれないといったように、足をすりあわせた。なんて、淫らで、いじらしい。 「おれを、食べたいとは思わないのか」 僕の髪を乱しながら、熱っぽいささやきを耳元に落とす。 ほんの数十分前まで、淫らに喘いでいただろうその唇が憎らしい。 本当は、すべてをこの目におさめて、この指で触れて、唇で愛したかった。僕だって本当は。 ――この人が他の誰かのものであると、まざまざと見せ付けられる土曜日の深夜。 僕は、僕の知らない誰かとセックスした体からゆっくり離れて、新しいシャツを着せ掛ける。 「だって、あなたは僕だけじゃ、満足できないんでしょう」 甲斐甲斐しく面倒を見るのは、こうしていることで万に一つでも、 この人が僕だけにすべてを許してくれる日が来るかもしれないと、僕が夢見ているからだ。 ----   [[攻めに尽くしまくるワンコ受と受けの態度に若干引き気味な攻め>15-869-1]] ----

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