「21-899」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

21-899」(2012/10/15 (月) 15:41:28) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

先輩わんこ×後輩クーデレ ---- 「カワムラー!」 背後から、のしっ、と覆いかぶさる重さに、俺はため息をついた。 「先輩、邪魔。」 「お前あいかわらずいい匂いだな~」 髪の毛に顔を埋めたまま、ふんふんと鼻をならしている。 俺の抗議に耳を貸す気はないらしい。 しかたなく読書の続きを諦め、読みかけの小説を机に伏せた。 「汗臭いでしょう。今日、ラスト体育の授業でしたから。」 「そんなことないぞ?スゲーいい匂い。」 あー落ち着く、などと言いながら、人の頭に顎をのせて深呼吸を繰り返す。 重い。 「…先輩って、昔飼ってた犬に似てます」 「え?お前犬飼ってたの?」 「ええ、拾ってきた雑種の大型犬を。」 「へぇ。何々?どんなとこが似てる??」 やたら嬉しそうに頭上で跳ねる声。 「すぐテンションがMAXになって周りが見えなくなるところとか」 「うん」 「すぐ俺の頭に顎のっけて寛ぐところとか、真夏に暑いのにわざわざくっついてくるところとか」 「うん」 「すぐ人の匂いを嗅ぐところとか、叱られても叱られてもめげないところとか」 「…うん」 するり、と腕が解かれる。 「えと…俺、ウザい?暑苦しかったか?」 振りかえると、しょんぼりとうなだれている大男。 垂れ下がった耳や尻尾すら見えそうだ。 「…俺は全部好きですけどね、先輩」 引き寄せて、首筋に顔を埋める。 すぅっと息を吸うと、土埃と、汗と、太陽の匂いがした。 「あなたの匂いも」 目と目が合った刹那、強い力で押し倒された。 今度は正面から覆いかぶさってくる男を見ながら俺は、そういえば犬の祖先は肉食獣か、などと考えていた。 ----   [[舞台はスラム>21-909]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: