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今は穏やかだけど元893な受 ---- 亮治さんは少し変わっている。 例えば、謝り方がいちいち大袈裟だ。 普段は「男はヘコヘコするもんじゃない」と豪語している癖に 一旦自分に非があると認めると、今度は全身全霊で頭を下げる。 必要とあらば、土下座も辞さない。 謝られた方が恐縮してしまう――いや、引いてしまうほどに。 一度など、ふさふさだった頭が次の日に丸坊主になっていたことがある。 「俺なりのケジメだ。昨日、風呂場でバリカン使って刈った」 「眉まで剃るのはやり過ぎ。正直、凄まれてる気分になる」 「え、怖いか!?」 亮治さんの良いところは、眉毛が生えそろうまで、毎朝忘れずに眉を書く律儀なところだ。 例えば、一緒にゲームセンターへ行くと、必ずガンシューティングをプレイする。 所詮はゲーム。画面に表示されている照準マークに素直にヒットするし 銃型コントローラの側面についているボタンを押しさえすれば、簡単にリロードできる。 それなのに彼は、わざわざコントローラの照星で狙いを定めて撃ち、 リロードするときはわざわざ実際のリロードするアクションを挟む。 そして、プレイ中いかなるときも、標的から目だけは逸らさない。 毎回そんな調子だから、いつも気がつけば周囲にギャラリーが出来ている。 「たまには二人プレイしないか?スコア稼げるし楽しいぞ」 「あの緊張感に耐えられそうにないよ」 「じゃあ、次はお前のやりたいゲームに行くか」 亮治さんの良いところは、欲しい景品が取れなくても、クレーンゲームに500円以上は突っ込まないところだ。 例えば、焼肉屋へ行くと、ロースやカルビを無視してセンマイやミノばかり頼む。 そして傍らにウーロン茶を置いて、それをガツガツと食べる。 センマイをガツガツ食べる人は彼が初遭遇だった。 なんでも、飲みの席で下戸なのを誤魔化すためにひたすらツマの方ばかり食べていたら いつの間にか好物になっていたそうだ。前向きな人だ。 酒の方に関しては、席をこなす云々の問題ではなく、今でもアルコールは一切駄目で 下戸なのは父親に似たのだと語ったそのときだけ、彼は少し遠い目をしていた。 「ん?お前は食べないのか?美味いぞ」 「内臓はグロくてちょっと食欲が…」 「そうかあ」 亮治さんの良いところは、自分の好物だからといって、それを無理やり他人に薦めないところだ。 例えば、俺の理解の範疇を超えたことを、平気でやらかす。 そう。彼は、俺の隣にいるために、俺と一緒に生きて行くために、 俺を連れて行くために、それまで積み上げてきた人生を棒に振った。 正面きってオヤジに頭を下げに来た彼は、案の定罵倒されボコボコにされたが、 殴られている最中も蹴られている最中も、相手から目を離さず、許可を乞い続けた。 そして結果的に、俺を勝ち取った。 二人で部屋へ帰る道すがら、彼は「死ぬかと思った」と言いながら ズタボロになった顔に満面の笑みを浮かべていた。 そんな亮治さんにも悪いところがある。 「アキラ」 「なに」 「しようぜ」 甘えるような猫撫で声で俺の名前を呼ぶときは、たいていそうだ。 欲望に対して正直で、ムードもへったくれもない。 したいからする。その本能は俺も同じ男だからわからないでもないが… 「あのさ、見ての通り、俺今メシ作ってるんだけど」 「そんなの後でいい」 時と場所を弁えない。俺とお前がいれば問題ないだろ、ときた。 「メシ食って、風呂入った後でならいいよ」 「今したいんだよ」 「ご飯ももうすぐ炊けるから駄目です」 「飯よりお前がいい」 「だーめ」 「いいだろ、なあ、アキラー」 「今は駄目だっつてんだろうが!火ぃ使ってるときに抱きつくんじゃねえ!!」 ……俺の悪いところ。 つい昔のノリで亮治さんを一喝してしまうことがある。 ----   [[デリケートな攻め×デリカシーのない受け>21-749]] ----

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