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真夏の夜の夢 ---- ふたりの少年がいた。 夜の寺社だった。 真夏の夜のことだった。 ふたりの少年と青年がいた。 夜の寺社だった。 遠くで祭囃子が聞こえる。 「10年ぶりだっけ?おまえ今いくつになったんだ?」 「25だよ。同い年なんだから、わかるだろ」 「いやぁ、あんまりおっさんになっちゃってるからつい、確認のために」 「25はまだおっさんじゃねぇよ。……おまえは、変わらないな。あのときのままだ」 「あたりまえだろ。永遠の15歳だ」 ふいに祭囃子が途絶えた。 たのしい、たのしい祭の時間はもうおしまい。 「……んじゃ、そろそろ行くわ。元気でな」 「なぁ」 祭の時間はもうおしまい。 さあさみなさん帰りましょう。 あるべき場所に、帰りましょう。 「最後にひとつだけ。思い出、くれよ」 そう言った青年の目からあつい水が落ちる前に、ふわりと重ねた唇は。 そよ、と吹いた風と共にあわく消えてなくなった。 ひとりの青年がいた。 夜の寺社だった。 真夏の夜の夢だった。 ----   [[勘違いお耽美系受け>21-699]] ----

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