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思ってたのと違う
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「そぉーいえばさあ」
服を脱がせていると、昭仁がいきなり声を上げた。
俺は昭仁のシャツを脱がせて放り投げながら、何?と目線だけで先を促す。
昭仁はふざけて俺のシャツに手をかけて脱がせようとする。
あのさあ、今俺が昭仁脱がしてるんだから邪魔しないでよ。
「今さぁ、お前と会った時のこと思い出してたんだけどさー」
「はあ」
昭仁、足浮かせて。
ん。
と俺達は間抜けにも服を脱がせ合いながら会話を続ける。
昭仁が腰を浮かせるので俺はズボンをそのまま下ろして足首から抜くと、今度は昭仁が俺の服に手をかける番。
「懐かしいよなぁー。昔さあ、和志、俺の事さー、」
……なんか嫌な予感がする。そして、昭仁がにやにやとだらしなく緩ませた顔を見れば
多分俺のこの予感は8割方当たっているんだろう。ああ、もう。
「……昭兄、なんて呼んでたよなー?」
あんた基本スポンジ頭の割にそういう事だけちゃんと覚えてるよね。……ちくしょう。
そしてあの頃の話は恥ずかしいからやめてほしい。俺は本気で昭仁が好きすぎて眠れなかった事まであるし、
……この能天気さが途方もなく懐の広い優しさに見えてた時だったからもう今考えたら死にたいくらいの勢いで甘えてたし、
……。……やめよう。しにたくなる。今既に叫んで転がり回りたいくらいだ。
「……そうだっけ?」
知らないふりした俺のズボンを半端に脱がせたまま、昭仁は俺の股間をまさぐり始める。ちょっとやめてくんないかな。
昭仁のそういうところ、隠されてた訳でもないのに何で俺は勘違いしてたんだろう。
恋は盲目ってやつか。何が恋だ俺は乙女か。
「もっかい位呼んでもいーよー?てか、呼んでみねぇ?和志」
体を起こして、俺と膝立ちで向かい合う。俺のボクサーパンツの中に手を無遠慮に突っ込んで撫で回す手。
形を確かめるみたく掌でやわやわと輪郭を辿る。
「……やだよ」
「なんでだよー。ほらーあきにぃ?って。あきにー。さんはい」
「何がさんはい、なの馬鹿昭仁」
くすくすと俺の反応を楽しそうに笑い、尖らせた唇が俺の唇を柔く噛んだ。
それは昔と変わらず甘くて、何度か繰り返される内にやっぱり俺この人の事好きなんだろうなあなんて思わせる。
……なんか呪いとかじゃないよなこれって。
「もう黙ってよ雰囲気出ないから」
尖らせた唇に噛み付くと、すぐそこで細められていた昭仁の目が待ってましたとばかりに色を帯びた。
ああ、俺は罠にかかっている獣の気分だ。実際は昭仁の方が獣みたいなのにな。
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[[おっとり義父×どスケベ息子>21-479-1]]
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