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<p>元正義の味方×現正義の味方</p> <hr /><p>「あの人の正義が、私の正義だった。<br /> あの人の守る正義は、いつも暖かく輝いていて<br /> 正義を守るあの人はもっともっと輝いていた。<br /><br /> いつしか私は、背中を眺めるだけの自分に嫌気がさし<br /> 死に物狂いの努力を始めるようになった。<br /> 「勇者になりあの人の意思を継ぎたい」理由はそれだけだったが<br /> 昔の私にも今の私にもきっと未来の私にも、その理由だけで充分だと思った。<br /><br /> 幸い私は、生まれつき怪力という武器を持っていた。<br /> まあトコトン駄目な頭せいで、大分損はしていたんだが…。<br /> だが、それを差し引いてももこの怪力は価値がある物だったらしく<br /> 喜ばしいことに、私の勇者デビューは皆より数年早かった。<br /><br /> 当日王は私の機嫌を損ねぬよう、長々と世辞を三時間は続けたが<br /> 要約すると「私には元勇者を同行させる」とこれだけの話であった。<br /> そのとき私は、長い話と今だ一人前になれぬ自分にイラついていたが<br /> それは「同行する元勇者」を紹介された瞬間に、全て吹き飛んで行った。<br /><br /> だってそうだ!<br /> 憧れ、恋焦がれたあの人にこんな所で会えると思う人間はそう居ないだろう。<br /> あの時の衝撃を超えるような出来事は、きっと一生訪れない!<br /> そして、あの時の高揚感は一生忘れることが無いだろう!<br /> 初めて間近で聞いたあの人の声は、遠くで聞いた声よりずっと優しい声で<br /> 初めて触れたあの人の手は、思っていたより固かった。<br /> たくさんの者を守ってきた手なのだな、とそう思った。<br /><br /> さあ馴初め話は終わりだ。次は初めて戦に出たときの話をしよう。<br /> 彼は緊張して調子の出ない私を咎める事も無く、それどころか無様な私に<br /> 「調子が出ないか…。じゃあ今日は[自分が君に手本を見せる日]に変更だ!」<br /> 「そう嘆くな、自分も最初はそうだったさ!」<br /> などと、お優しい声を掛けてくださったのだ!!<br /> あの日ほど、感動した日は無い。<br /> あまりに勿体無いお言葉に、涙が止まらなくなるんじゃ無いかと心配になった位だ。<br /><br /> さあ、次は二度目の戦闘の話にしよう。あの時は……」<br /><br /> --------------------------------------------<br /><br /><br /> 今テレビに映っているこの好青年は、いったい何時まで話し続ける気なのだろう…。<br /> 恐ろしい魔王を倒した、凛々しい青年はいったい何処へ行ってしまったのか。<br /><br /> オカシイ。僕は『勇者様にインタビュー!~魔王へ続く戦いの日々~』を見ていた筈。<br /> 本来なら、辛く長い戦い尽くしの日々への想いを聞いている筈。<br /> こんな、バカップルの惚気みたいな話を聞いているわけが無い!<br /> …筈だった、だがチャンネルは合っている。というか、出演者がもろに勇者様だ。<br /><br /> 勇者様憧れの「あの人」が登場した辺りから、勇者様のテンションが異常に高い。<br /> (これは普通、なんせ憧れの人だ。テンションも上がるさ。)<br /> サラッと流してしまったが、何気に「恋焦がれたあの人」とか言っている。<br /> (…まあ、勇者様はあまり頭の良いお方では無いそうだし、間違えたんだろう。)<br /> さらに、いま語っていらっしゃる五日目の話で「あの人とキスを…」とか聞こえた。<br /> (き、聞き違いさ!僕の耳が変なんだ。今度耳鼻科へ行こう。)<br /> 今もう一回「キスした」って聞こえた。さらに、「苦しいほど愛してる」って聞こえた。<br /> (僕は考えるのを止めた。)<br /><br /> このあと何故か「ホモセッ●スの話を聞かされる」という、とても嫌な直感を感じ<br /> 静かにテレビの電源を消したのであった。</p> <hr /><p><a href="http://www19.atwiki.jp/910moe/?page=21-389-1">元正義の味方×現正義の味方</a></p> <hr /><p> </p>

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