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騎士と僧侶 ---- 「おまえなんか俺がいなきゃとっくに棺桶のくせに!」 「それはこっちのセリフです。すぐぼこすかやられるくせに」 ふん、とお互いに顔をそむけてそのまま逆方向に歩きだした。 魔物の巣窟である森の中は暗い。 「剣しか能のない馬鹿め。だいたい相手の攻撃全部もろにうけてるくせに何様ですか。私が回復魔法かけないとあなたこそ棺桶じゃないですか。だからもっと攻撃を避けることをしろと言っただけなのに、文句たらたらうるさいんですよ。私は」 もっとあなたの身を大切にしてほしいだけなのに。 あなたが守るべきは、何よりあなたであってほしいのに。 「っ……!」 茂みから突然あらわれた魔物に肩をおおきな爪でひっかかれた。 強い魔力を感じる。それも3体。 はたして自分ひとりで勝てるだろうか。 汗ばんだ手で杖を握りしめる。 1体の魔物が猛然と襲いかかってきた。 「だから。おまえは俺がいなきゃダメだって言ったろ」 かばうように背中を向けて目の前に立ちはだかった男。 腕から血が流れるのが見えた。 守る背中が、痛くて、うれしい。 「……あなただって、私がいないとダメでしょう」 「もうそういうことにしといてやるから、とっとと片づけるぞ。頼むぜ、相棒」 それもこっちのセリフです。 どうか、頼みますからね。 ----   [[スレ住人×荒らし>21-379]] ----

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