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俺様とおぼっちゃま ---- 深窓の、ときたら、普通その後に続くのは「麗しき御令嬢」であるべきだと 誰でも思うだろう。 幼い頃の俺ももちろんその例にもれず、ある夏俺は町外れの大きな屋敷へと 忍び込んだ。誰もが一度はやってみたくなる冒険ごっこだ。 獰猛な魔犬…という設定の、その屋敷で飼われていた愛らしいスピッツをおやつで 従えて、こっそり潜り込んだ、別荘地でも一番上等な家の、一番上等な窓の下。 そこにいるはずのお姫様は、あろうことか、生意気でこまっしゃくれた、 同じ年くらいの餓鬼んちょだった。 あんまり癪に障ったから、つまらなさそうに本を読むそいつを無理やり外に 連れ出して、それから毎日のように、日が暮れるまで野山を引きずりまわしてやった。 そうして遊んだ懐かしい夏休み。 今じゃどこでどうしているんだか、もう会うこともないだろうと思っていた。 そして立派な一社会人になった俺は今、久しぶりに地元の別荘地を訪れている。 時代の流れに沿うように、ここでも古きは取り壊され、どんどん新しい屋敷が 建つ一方だ。 俺が昔忍び込んだあの家も、もうとっくになくなって、妙にこじんまりした ログハウス仕立ての別荘が建てられていた。 それはどこか昔落書きをした「俺たちが考えたさいこうの秘密基地」の イメージによく似ているような気がした。 俺らしくもない干渉に浸りながらその別荘の前を通り過ぎたとき、俺は ふと足を止めた。 白いスピッツが吠えている。窓の向こうから「どうも」と声がかかる。 見覚えのある目つき。 返事ができずにいる俺に、そいつは生意気にも「…また、僕のことを 連れ出しに来たんですか?」と言って笑った。 だから俺もつい笑ってこう言い返す。 「当たり前だ、バカ。早くこっちに来やがれ」 ----   [[犯した直後の攻めの涙>21-369]] ----
俺様とおぼっちゃま ---- 深窓の、ときたら、普通その後に続くのは「麗しき御令嬢」であるべきだと 誰でも思うだろう。 幼い頃の俺ももちろんその例にもれず、ある夏俺は町外れの大きな屋敷へと 忍び込んだ。誰もが一度はやってみたくなる冒険ごっこだ。 獰猛な魔犬…という設定の、その屋敷で飼われていた愛らしいスピッツをおやつで 従えて、こっそり潜り込んだ、別荘地でも一番上等な家の、一番上等な窓の下。 そこにいるはずのお姫様は、あろうことか、生意気でこまっしゃくれた、 同じ年くらいの餓鬼んちょだった。 あんまり癪に障ったから、つまらなさそうに本を読むそいつを無理やり外に 連れ出して、それから毎日のように、日が暮れるまで野山を引きずりまわしてやった。 そうして遊んだ懐かしい夏休み。 今じゃどこでどうしているんだか、もう会うこともないだろうと思っていた。 そして立派な一社会人になった俺は今、久しぶりに地元の別荘地を訪れている。 時代の流れに沿うように、ここでも古きは取り壊され、どんどん新しい屋敷が 建つ一方だ。 俺が昔忍び込んだあの家も、もうとっくになくなって、妙にこじんまりした ログハウス仕立ての別荘が建てられていた。 それはどこか昔落書きをした「俺たちが考えたさいこうの秘密基地」の イメージによく似ているような気がした。 俺らしくもない干渉に浸りながらその別荘の前を通り過ぎたとき、俺は ふと足を止めた。 白いスピッツが吠えている。窓の向こうから「どうも」と声がかかる。 見覚えのある目つき。 返事ができずにいる俺に、そいつは生意気にも「…また、僕のことを 連れ出しに来たんですか?」と言って笑った。 だから俺もつい笑ってこう言い返す。 「当たり前だ、バカ。早くこっちに来やがれ」 ----   [[犯した直後の攻めの涙>21-279]] ----

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