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仲間はずれ ---- 浩太がペットを飼いたいと言い出した時は、犬か猫かと思った。 浩太が飼いたいのがヨウムという種類の体長30センチもある大型インコで、 20万以上もすると聞いてびっくりしたけど、日に1時間程度カゴの外で 遊んでやるくらいで普段はカゴの中に居るということで、僕の生活には たいした影響は無いだろうと思ってOKした。 実際に初めて見たソイツは、グレーのウロコ模様の羽根に真っ赤な尻尾で、 白い虹彩の中の黒く小さい瞳孔が猛禽類のような、おっかない顔をした デカイ鳥で、できれば近寄りたくないと思うような鳥だった。 「隆志~ッ!」 「はーい!何?」 「チューするッ?!」 「チューしよっか」 「チュッ!」 「上手にチューしたね」 「えへへへッ! カワイイねッ!」 「ありがとう!かっちゃんもカワイイね」 「カキカキしよっかッ!」 「どこカキカキする?」 「あごあごッ!」 「はい、あご出して。カキカキカキカキ」 「きもちいいねッ!」 「そう、きもちいいの、よかったね」 「隆志、だーい好きッ!!」 「僕もかっちゃんが大好きだよ」 「なあ、かっちゃんは俺のペットのはずなんだけど?」 「しょうがないじゃないか浩太。かっちゃんは僕が大好きなんだから。ねー」 俺が文句を言うと、隆志は「かっちゃん」を腕に乗せたまま言う。 「ねーッ!」 隆志の声に、かっちゃんが一緒に言うと、隆志は嬉しそうな笑顔を見せる。 まあ、これだけ楽しそうにしている隆志の顔を見られるんだから、少しくらい の疎外感も我慢してもいいかと思えてくるんだが.... 俺は隆志の隣に行って、かっちゃんの口真似をしてみた。 「チューする?」 ぷっと隆志は吹き出して、「チューしよっか」と定番の言葉を返してから 俺の唇に軽く触れるだけのキスをした。 すかさず、隆志の腕の上で、かっちゃんが言った。 「上手にチューしたねッ!!」 「あははははは!褒めてくれてありがとう、かっちゃん」 笑いながら、隆志はまたかっちゃんの相手をし始めた。 なんかもうラブラブな雰囲気の一人と一羽を見ながら、鳥に妬くのも大人気ないと 耐えるしかない俺なのだった。 ----   [[仲間はずれ>15-479-1]] ----

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