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非の打ち所のない人間×底辺であがく男 ---- 「頼む!雇ってくれ…!」 目の前で土下座をしているのは、かつて僕を苛めていた元同級生だ。お洒落かどうか分からない派手だった服は、今やボロボロの布を纏うだけ。髪の質は傷みに傷みまくり、手も傷だらけで荒れまくっている。 …何だっけ。澄ました顔がムカつくだっけか。教師に媚び売ってる優等生ちゃんとも言われたか。女はべらかすな…あ、これは別の人に言われたのか。 「…なあ、同級生のよしみじゃねえか。昔は水に流そうぜ、な」 黙っている様子に、怒っているのかと思ったようだ。だが、僕は怒っていない。いや、寧ろいい機会だった。 父親の後を継ぐ為にはエグいことをされるだろうし、するであろう、そういう未来を確信していたから。まさに客観的に辛い苛めという機会は、いい機会だったのだ。 「……お前、何も変わってねえな」 「はい?」 「あー…感情無いロボットみたいな顔でさ。社長様なら、嫌がるだろ。やな目に合わせた男が、こんなナリできたらよ」 変わってないのは貴方のほう。思ったことを口にしてばかり。時と場合を考えやしない。だからこそ本能のまま。問題児のまま。不適合者のままで、足掻くばかり。 「…簡単な雑務ならば、任せましょうか?」 「ちょ、マジかよ!サンキューな!」 答えれば、想像と同じ反応。秘書には恐らく怒られるだろう。優しい社長とは、仕事ができなければ即刻クビになるのだ、と。…それで仕事をミス無くこなすから社長には腹が立つと。 仕方あるまい。それが僕だ。 「ちょーカンペキなお前のことはつまらねえ」「だから、オレがお前におもしれえこと教えてやるよ!」「わらわせてやる!」 「覚えてるはずない、か」 僕が何故、偏差値の低い高校をわざわざ選んだのか。僕が何故、父親を引き摺り下ろしてまで社長の椅子に拘ったのか。 僕自身の「非」を知る者は、僕自身だけだ。 ----   [[いつもと違うお父さん>24-419]] ----

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