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ツンデレ攻め×鬱受け ---- 放課後の教室に、ぽつんと座っている彼が、ずっと気になっていた。 毎日毎日、少し俯いた姿勢で、一時間以上ただ座っているのだ。 まさか、椅子に接着剤を塗りたくられる、あの古典的なイタズラにでもあったのだろうか。 でも、よく考えたら彼が席を立った所も見ているから、それはない。 じゃあ何故彼は、窓際の席で、外も見ずに、ただ座っているのだろうか。 そんなモヤモヤが溜まった頃、直接本人に聞いてみようと、彼の目の前に座った。 彼は驚いたのか、俯いていた顔を上げ、黒い目を丸くさせていた。 「お前、何でいっつもここで、ボーっとしてるわけ?」 まさか、質問されるとは思ってなかったのか、彼は少し困ったように眉を寄せる。 「大した事じゃ、ないんだけど」 小さい、でも不思議と耳に残る声色で、彼は答えてくれた。 「明日って、ちゃんと来てくれるのかな、って」 「は?」 「学校終わると、不安になるんだ。僕が何でここにいるのか、とか、僕は居なくてもいいんじゃないか、とか」 苦笑と共に、彼は小さく溜め息を吐く。 「ちょっとマイナスな事考えてたら、時間が過ぎてただけだよ」 「なんだ、そんな事か」 心配していた訳でもないのに、安心したような溜め息がでた。 彼は、キョトンとした表情を浮かべると、小さく笑った。 「安心して。別に変な事は考えてないから」 「変なこと?」 「世界の滅亡的な事?」 「俺に聞くな」 憮然と言い放つと、彼はますます笑った。 笑うと、彼の顔は少し幼く見える。 「僕の顔、何か付いてる?」 「別に」 思わず、彼の顔をじっくり見つめてしまった事が気まずくて、すぐにその場から走り去った。 翌日、彼は放課後の教室に居なかった。 引っ越したと聞いて初めて、彼に恋をしていたと、知った。 ----   [[ツンデレ攻め×鬱受け>22-939-1]] ----

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