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ダメ兄とデキル弟 ---- 「キスして」 兄より優れた弟などいない。どこぞの世紀末覇者が活躍する漫画での主人公の兄が発した言葉に、俺はすさまじく共感していた。 本当に兄のほうが優れているのなら絶対に出てこない言葉だ。事実への悔しさとか、わかってはいるけど認めたくない感情がありありと伝わってくる。 漫画を読む手を止めずに横目で弟をちらっと見る。いかにも真面目で、お勉強の出来そうなピンクフレームのメガネをかけた男の目をつぶった姿に内心ため息を吐く。 最近の俺は弟と話す機会がめっきり減っている。主に俺の自尊心の問題で。 視界に入るたびに弟が優秀なことに劣等感を感じたり、ちょっとしたことで苛々するからだ。 自分の弟に対してこんなドロドロした気持ちを俺は抱いている。――昔はこんな気持ちにならなかったのに。 昔から才気を溢れさせていた弟に、これといって意識をしていなかった。 むしろ「良いお兄ちゃんだね。ハル君もお兄ちゃんみたいになれるといいね」なんて言われていい気になってばかりいたような気がする。 何時からだったか……何かにつけて弟と比較されて、お説教の内容が嫌いで、同じことばかり言う周りが嫌いで、次第に弟のことも嫌いになった。 弟が嫌いになった1番のきっかけは何だっただろう。 お説教されるときに毎回といっていいほど登場していたからか。難しい問題に頭をひねっていたときに横から答えを口出ししてきたときだろうか。 好きな女の子がこいつのことが好きだったからだろうか。 それとも…… 「何考えているの? 兄さん」 「お前が何時になったらつまんねえ冗談を言わなくなるか考えていたんだけど」 「冗談じゃないんだけど……いいじゃん。キスの1つや2つくらい」 キスして。抱いて。頭をなでて。手をつないで。家の中、それも親が居ないときはすぐにすぐにこれだ。 俺はこいつの背中に回りこんで蹴りをいれた後自分の部屋に鍵を掛けた。 ----   [[くすぐりに弱い受け>22-489]] ----

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