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勇気を下さい!
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「でも、やっぱり、俺、自信無い……」
小さい身体をさらに小さく縮こまらせて、狭山はモゴモゴと口ごもった。
「だーかーら、大丈夫だって!絶対成功する!」
事の発端は数時間前。
もうすぐ試験期間という事もあり、最近は午後の授業の終わりが早い。各自家や塾で勉強しろという事なのだろう。いつもはゲーセンに寄ったり中々家に直帰しない俺も、そろそろ勉強しないとまずいな、今日は早く帰ろうと思った矢先の出来事だった。
「俺、好きな人がいるんだ。でも、告白する勇気がなくて……」
きっと鈍器で殴られたらこんな感じになるんだと思う。まさか自分の想い人からこんな事を言われるなんて夢にも思わなかった。
一瞬にして真っ白になった頭をなんとか持ち直して、なんだよ!お前好きなやつなんていたのか!?なんて茶化しながら心で号泣しながら狭山の相談にのってはや数時間。告っちまえ!いや、でも……の押し問答で拉致があかないのだ。
「本当にOKしてもらえるかな……もし断られたら俺立ち直れる自信無い……」
「絶対大丈夫だって!ガキの頃から一緒の俺が言うんだ、間違いない!お前だったら誰だってOKするに決まってるさ!」
「そうかな?」
「そうだって!」
「じゃあ、告る」
「よし!いけ狭山!男を見せるんだ!」
「俺とつき合ってください!」
「…………は?」
放課後の教室、居るのは俺と狭山の二人だけ。
「水野、好きです。俺と、つき合ってください」
机越し、まっすぐな俺を見つめてくる狭山の視線から、目が離せなかった。
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[[勇気を下さい!>23-179-1]]
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