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原始人×サラリーマン
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目が覚めると、そこは原始時代だった。
なんだ夢かと思って、もう一度寝ようとしたが、地面は石だし、
砂埃も凄いし、動物に襲われそうになったので慌てて逃げた。
俺は普通のサラリーマンである。
人と違う所はインドアで多少オタク趣味があるくらいだろうか。
だからこそ、こんな奇抜な設定でも冷静にいられるのかもしれない。
タイムスリップ漫画の知識を総動員して、とにかく現代に戻る方法を考える。
まずはここでの衣食住を確保しなければと思い、周辺を歩き、そのうちに川を見つけた。
木も生い茂っていて、身を隠す場もありそうだった。
俺はしばらくここで生活することにした。
川の水は綺麗だったので、思い切って口にした。現代の水よりも遙かにうまかった。
明かりは無かったから、日の出と共に起き、日の入りと共に寝た。
食べ物は木の実や、魚でなんとかなった。
こんな健康的な生活は何年ぶりだろう。
俺が生まれるべきだったのは、本当はこっちの世界だったんじゃないかとまで思い始めた。
川の下流に進むと、木をくりぬいただけの稚拙な作りだが、カヌーらしきものがあった。
文明らしきものを見いだして感動した。
言葉は通じないだろうけれど、
身振り手振りでコミュニケーションはどうにかなるかもしれない。
俺は一縷の望みをかけて人を探した。
人はいた。筋肉のついた色の黒い男だった。男は興奮していた。
見慣れない奴がいるのだから当然だろう。どうすれば落ち着くのだろうか。
興奮した男は、ひとしきり興奮した後、どこかに行ってしまった。
不振に思って仲間を連れてくるのかと思ったら、何故か食べ物らしきものを持ってきた。
肉である。しばらく食べられなかった肉である。
現代人の自分には到底手に入れることが出来なかった肉である。
さすがにギャート○ズの肉ではなかったが、今の俺にはごちそうに思えた。
これを食えと言っているように思えたので、恐る恐る口にした。うまい。
味はないが、空腹は最大の調味料。かつ、肉がしまっている。
夢中で食べていると後ろから男が抱きついてきた。
ああ、原始人って本能に素直なんだよなあ。
食欲が満たされたら、性欲かあ、などと冷静に分析している自分もいたが、
身の危険を感じて大慌てで離れようとする。
しかし、原始人にひ弱な現代人が勝てる訳がない。
獣のようにやられた後に、俺は男の仲間の所に連れて行かれた。
男はリーダー格の人間だったらしく、他の男に差し出されはしなかった。
彼らに現代人は色が白く、歯も白く、神秘的に見えたらしい。
俺は神のようにあがめたてられた。
そして今は骨で占いらしきことをしている。
男は惜しみなく俺に肉をくれる。その後は本能の赴くままだが。
俺の人生って本当にこれで良かったのかな。
まあ、いいけど。
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[[熱々あんかけ対決>23-029]]
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