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送り狼 ---- 土曜日の夜は、彼をあのマンションまで乗せていくことになっている。 家族も金も仕事もない状態で拾われ、彼の専属運転手として雇われてから数年間。 あのマンションに通うようになってからも、もう随分経つ。 「送り狼、って言葉があるだろう」 後部座席に悠然と座り、手にした書類と窓の外とを交互に眺めていた彼が言った。 「ええ」 「この前、彼女と外で会った時にさ。遅いから送っていくって言ったら、『送り狼に なられちゃ困るからいい』なんて言われちゃって」 苦笑いをする彼の顔をバックミラー越しに見ながら、私も笑い声を出した。 「ははは。若社長も形無しですね」 「参っちゃうよ、ほんと」 土曜日の夜の彼は、いつも幸せそうに笑う。 「送り狼にまつわる昔話をご存じですか」 「知らないな、どんな話?」 「…昔ある男が、女の元へ通う山道の途中で狼に会いまして。狼の喉にものが刺さっていて とても苦しそうだったので、手を突っ込んで抜いてやったんです。狼はとても感謝して、 それ以来その男が女の元へ通う夜は、男の後をついて歩いて彼を守っていたそうです」 「へえ……じゃあ本当の送り狼は、取って食ったりしないんだ」 「まあ、そういう話もあるということですね」 週末気分に浮かれて混雑する道路を抜け、車は狭い道に入る。 「彼女に教えてやろう、その話」 次の角を曲がれば、幸せな彼の恋人のマンションに着く。 ----   [[変態攻×健気受ベースな、変態攻が健気受の浮気相手に強姦されるカオス話>9-869]] ----

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