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「9-759」(2012/02/09 (木) 19:54:47) の最新版変更点
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七時半過ぎを早朝という男と早起きの男
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「……あのなお前、いつも言うけど、こんな時間から電話かけてくんなよ」
どうせまた、急いで言う必要などない様な、どうでもいい用事なんだろう。
幼馴染として十五年も過ごしてきた経験上、既に骨身に染みて分かっている。
こいつの『急用』は、家の前で猫の親子が寝てるとか、今年初めて朝顔が咲いたとか。
そんな、こちらが呆れ返ってしまうほど、心底下らない要件に決まっているのだ。
「だって、もう七時半だよ」
「もう七時半だよ、じゃねえよ。まだ、だ。まだ」
「まだ…、って。本当、ケーゴって朝に弱いね」
「お前が強すぎるんだ」
毎朝五時に起きているような、人外の化け物と一緒にしないでほしい。
俺は、いたって普通の人間なだけだ。
「……で、用がないなら切るけど」
そうだ。まだ、起床時間まで三十分以上ある。
俺はまだ、このぬくぬくとした暖かい羽毛布団の中でまどろんでいたい。
誰であっても、俺の幸福な時間を奪う権利などない。
「外見て、外! 雪だよ、初雪!!」
「それで?」
それがどうした。雪なんぞ、ただの気象現象だ。
この季節なら珍しくもない。そんなに興奮するようなことでもないだろう。
「だから、早く出てきてよ! ケーゴんちの庭ならカマクラ作れるでしょ!?」
……まさか、登校までの間に作れってのか。しかも俺に、手伝えと。
人を無理やり叩き起こしておいて、そのうえクソ寒い中強制労働を?
馬鹿げてる。誰がお前なんかの言うことを聞くか。
断ってやる。今からもう一眠りするから諦めろ、って。
もうこれ以上人の睡眠を妨害すんな、迷惑だ、って。
そう、あいつに……。
……って、おい、俺の腕。いつの間に掛け布団を跳ね除けてるんだ。
それから足。どうしてこの寒さの中、嬉しそうにベッドから跳ね起きてるんだ。
そして、口よ。明らかに、A級戦犯は、お前だよお前。
何で「分かった分かった」だの、「すぐに行くから」だの、思ってもないこと言ってるんだ。
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[[昼行灯>9-769]]
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