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あの星取ってきて ---- 「すげーだろ、超偶然に田舎のばーちゃんちに落ちてきたらしくてさ」 「…ふーん」 「あ、ひで。リアクション薄っ」 「…これでも充分驚いてるんだけどね」 そう。表面上冷静を装っているものの十分に驚いてるし、何より動悸がおさまらない。 『僕と結婚したいなら、あの星取ってきて』 お前と結婚できたらな、と冗談めかして言った彼に、かぐや姫を気取ってそんな事を言ってみたあの日。 他愛ない日常。それでも僕は覚えている。 冗談でもいい、あの時素直に『結婚しよう』とでも返していればよかった、と今でも後悔する。 だから期待してしまった。隕石のカケラだという石を持って僕を訪れてきた彼に。 …馬鹿みたいだ。彼が手に入れた宝物を見せに来るのは昔からの事じゃないか。 そう自分に言い聞かせても、早鐘はいっこうに鎮まらない。 「…唐突に全っ然関係ない事聞くけど」 裏返りそうな声を必死で抑えて聞く。 「…もしも誰かが本当に宝物を見つけてきたとしたら、かぐや姫は本当に結婚したと思う?」 「しただろ。っつーかする気なかったとしても言い出したケジメで結婚しろ」 笑顔を急に引き締めて真剣にこちらの目を覗き込んで彼は言う。 「…な、何だよ。僕がかぐや姫本人みたいな言い方して」 「【星取ってきて】なんて無茶な難題出す奴がかぐや姫以外の何だってんだよ」 「!!…お前、覚えて…?!」 「っつーか…取ってきたわけじゃないし本当に隕石だって証明できないし、 【あの星】ってお前が示した星のカケラってわけでもないけど…」 それでもいいか?と彼は顔を赤くして手の中の星をこちらに差し出す。 「…合格に決まってるだろ」 差し出された手を両手で包み、取り繕えない泣き笑いの表情でようやくそれだけ告げた。 ----   [[裸ソックス×裸エプロン>9-749]] ----

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