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未だかつてない一目惚れ ---- 自分が惚れっぽいのはよく知ってる。 小学生の時の転校生。 中学生の時の教育実習生。 この辺はまだいい。 コンビニのお姉さん。 肩がぶつかったお兄さん。 セールスマン。 あまつさえ出会い系メールにすら。 恋をしていない日なんてない。 一言だけでも好きになれる。 目と目の合ったその日から。 だからってコレはねぇだろう。 「おい、聞いてんのかよ!」 「うん聞いてるって……はは……」 「だったらこっち見ろよ! なんで目ぇ反らすんだよ」 「それは……その」 合わせられる訳ない。 だって、そんなことしたらきっと顔が真っ赤になる。 訳だって言えない。 自分を叱るお前に惚れたなんて。 ありえないだろ。 学校の帰り道。 落し物をしたという女の子に会った。 暇だったから一緒に探してあげて、やっと見つけた所にコイツが来た。 見るなり俺の手をひっ掴んで走った。 で、家に着くなりずっと説教。 お前は人間ならなんでもいいのか。 少しは自重しろ。 今回は一目惚れじゃないんだけどな。 流石に幼稚園児にまで惚れるほど人の道は外れてない……たぶん。 けれどいつもがいつもなだけに反論しづらい。 それでも一応否定しておこうと顔を上げて、固まった。 真剣に自分を見つめる瞳。 ドクリと心臓が打ちつける。 だめだ、コイツには惚れられないんだ。 だって大切な友達で。 今だって自分を心配して怒ってくれて。 なのに心配されている事が嬉しい。 自分を見てくれる事が嬉しい。 「おい、聞いてんのかよ!」 聞いてる。 でも、どうしよう。 惚れるのはやめられそうにないよ。 ----   [[札幌×福岡>9-369]] ----

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