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「9-209」(2012/02/09 (木) 18:09:07) の最新版変更点
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<p>＞＞207まあまあ。やっちゃうときは30分とか一時間とか関係ないって。広い心で流してあげるのが大人。</p>
<hr /><p>しぶしぶ問題集を広げた俺に、<br />
「目安は３０分だから、なるべく時間内に解けるようにがんばって」<br />
優しい声で言って、やつは自分の腕時計に目を落とした。<br />
「いい？今からはかるよ」<br />
にっこり笑って俺の顔をうかがってくる。俺が無言でシャーペンを握ると<br />
それを是の意と取ったのか<br />
「うん。じゃ、はじめ」<br />
怒った声を出したことがあるんだろうかと疑いたくなるような調子で、<br />
やつは開始の合図をつげた。<br />
こいつは俺の家庭教師だ。近所の大学の２年生。苦手の数学を中心に<br />
試験前は他の教科も見てくれる。<br /><br />
俺はこいつに、今まで１回も、叱られたことがない。<br />
たとえば品行方正に、言うことをよくきいていれば、それも当然だろう。<br />
だけど俺はそうじゃないのに。<br /><br />
３０分がすぎて、先生が俺に「そろそろできたかな？」ときく。<br />
「まだ」と、つっけんどんに答えると、先生は、そう、じゃあ<br />
出来たら言ってくれればいいからね、と、一段と優しい声で言った。<br /><br />
それからたっぷり３０分。先に耐えられなくなったのは俺の方だ。<br />
なんで何にも言わないんだよ。時間切れになってからさらに３０分<br />
もたったっていうのに。<br />
「できました」<br />
言うと、「はい、お疲れ様。じゃあ答え合わせするからね。<br />
ちょっと貸して」と、彼は俺の目の前の問題集に手を伸ばす。<br />
気づかれないように、ちらっと彼の顔に目をはせると、<br />
やっぱり笑っている。<br />
――イライラする。<br /><br />
問題集にちょっと目を通したヤツが、ため息のひとつでも<br />
つくのを期待してたのに、ヤツの反応は真逆だ。<br />
「よし、じゃあ一問目から見ていこう。いい？」<br />
全くいつも通りの優しげな声を彼がだしたとき、俺の<br />
イライラは頂点に達した。<br /><br />
よくない。<br />
気がつけば声に出していた。<br />
「え？どうした」<br />
ヤツはほんの少し狼狽したような顔を見せたけど、やっぱり怒ったりしない。<br />
ここは怒るところじゃないのかよ。<br /><br />
「だって、３０分の問題１時間もかけて解いたんだぜ。<br />
それでこんな間違いとか空欄ばっかなのに、なんで何も言わないんだよ！」<br />
にらみつけるようにヤツを見ると、「狼狽」から「きょとん」にヤツの表情<br />
が変わった。どうしたって「怒った」ものには変わらないらしい。<br />
「まあまあ。」<br />
それどころか、こんな時でも穏やかに笑うんだ。<br />
「３０分だろうが、１時間だろうがさ。間違うときは間違うんだし」<br />
出来ないのなら１個１個、ちゃんと検討して出来るようになろう。<br />
大丈夫だよ、君ならできるから。<br /><br />
穏やかに連ねられる善良な言葉達に、なにがまあまあだよって悪態をつきたくなる。<br />
のみこめそうになくて、思わず口を開きかけたけど、そんなことしてもどうせ、<br />
こいつはまた「オトナ」な態度を見せつけてくるんだろう。<br /><br />
――余裕な態度を崩したくて、構って欲しくてやってるんだって、<br />
全然わかってない。<br /><br />
近づきたいって思ってるのに素直になれない自分と、<br />
オトナなやつの両方を呪いながら、俺はため息をついた。 </p>
<hr /><p>
＞＞210可愛い！先生優しそうで萌えた！---議論レスで文章の間に挟まったりレス消費して感想書けなくなるのが*9どうこうよりイラつくよ。まとめサイトででもやってくれ。</p>
<hr /><p> </p>
<p>＞＞207まあまあ。やっちゃうときは30分とか一時間とか関係ないって。広い心で流してあげるのが大人。</p>
<hr /><p>しぶしぶ問題集を広げた俺に、<br />
「目安は３０分だから、なるべく時間内に解けるようにがんばって」<br />
優しい声で言って、やつは自分の腕時計に目を落とした。<br />
「いい？今からはかるよ」<br />
にっこり笑って俺の顔をうかがってくる。俺が無言でシャーペンを握ると<br />
それを是の意と取ったのか<br />
「うん。じゃ、はじめ」<br />
怒った声を出したことがあるんだろうかと疑いたくなるような調子で、<br />
やつは開始の合図をつげた。<br />
こいつは俺の家庭教師だ。近所の大学の２年生。苦手の数学を中心に<br />
試験前は他の教科も見てくれる。<br /><br />
俺はこいつに、今まで１回も、叱られたことがない。<br />
たとえば品行方正に、言うことをよくきいていれば、それも当然だろう。<br />
だけど俺はそうじゃないのに。<br /><br />
３０分がすぎて、先生が俺に「そろそろできたかな？」ときく。<br />
「まだ」と、つっけんどんに答えると、先生は、そう、じゃあ<br />
出来たら言ってくれればいいからね、と、一段と優しい声で言った。<br /><br />
それからたっぷり３０分。先に耐えられなくなったのは俺の方だ。<br />
なんで何にも言わないんだよ。時間切れになってからさらに３０分<br />
もたったっていうのに。<br />
「できました」<br />
言うと、「はい、お疲れ様。じゃあ答え合わせするからね。<br />
ちょっと貸して」と、彼は俺の目の前の問題集に手を伸ばす。<br />
気づかれないように、ちらっと彼の顔に目をはせると、<br />
やっぱり笑っている。<br />
――イライラする。<br /><br />
問題集にちょっと目を通したヤツが、ため息のひとつでも<br />
つくのを期待してたのに、ヤツの反応は真逆だ。<br />
「よし、じゃあ一問目から見ていこう。いい？」<br />
全くいつも通りの優しげな声を彼がだしたとき、俺の<br />
イライラは頂点に達した。<br /><br />
よくない。<br />
気がつけば声に出していた。<br />
「え？どうした」<br />
ヤツはほんの少し狼狽したような顔を見せたけど、やっぱり怒ったりしない。<br />
ここは怒るところじゃないのかよ。<br /><br />
「だって、３０分の問題１時間もかけて解いたんだぜ。<br />
それでこんな間違いとか空欄ばっかなのに、なんで何も言わないんだよ！」<br />
にらみつけるようにヤツを見ると、「狼狽」から「きょとん」にヤツの表情<br />
が変わった。どうしたって「怒った」ものには変わらないらしい。<br />
「まあまあ。」<br />
それどころか、こんな時でも穏やかに笑うんだ。<br />
「３０分だろうが、１時間だろうがさ。間違うときは間違うんだし」<br />
出来ないのなら１個１個、ちゃんと検討して出来るようになろう。<br />
大丈夫だよ、君ならできるから。<br /><br />
穏やかに連ねられる善良な言葉達に、なにがまあまあだよって悪態をつきたくなる。<br />
のみこめそうになくて、思わず口を開きかけたけど、そんなことしてもどうせ、<br />
こいつはまた「オトナ」な態度を見せつけてくるんだろう。<br /><br />
――余裕な態度を崩したくて、構って欲しくてやってるんだって、<br />
全然わかってない。<br /><br />
近づきたいって思ってるのに素直になれない自分と、<br />
オトナなやつの両方を呪いながら、俺はため息をついた。 </p>
<hr /><p><a href="http://www19.atwiki.jp/910moe/?page=9-219">＞＞210可愛い！先生優しそうで萌えた！---議論レスで文章の間に挟まったりレス消費して感想書けなくなるのが*9どうこうよりイラつくよ。まとめサイトででもやってくれ。</a></p>
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