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あと1学期 ---- 三学期の始業式の日。 あと一学期で高校を卒業する、カウントダウンの始まった日。 三学期はセンター試験までは特別日課で、その後は自宅学習期間に入る。 学校に来て勉強することもできるけど、SHRなんかはもうない。 大好きなあの人に会う時間も少なくなる。 それでも、俺は少しも悲観的な気分になんてならない。 たとえ受験という難関が目の前に立ちふさがっていても。 目の前の道が少しずつ形を成し、かすかな光が導くような、そんな確かな手ごたえを感じる。 始業式の後、図書室で自習して時間をつぶし、他のクラスメートが帰ったのを見計らって、数学科資料室に行く。 クラスの担任が、優しい笑みを浮かべて部屋の中に招き入れてくれた。 いつから好きになったのか、先生の気持ちに気づいたのはいつだったのか、もう思い出せないくらい一緒にすごした。 子ども過ぎる俺は、何度もこの人を困らせたし、大人の先生は、何度も俺を悲しませた。 けれど、それももうすぐ終わる。 先生が俺の頭に大きな手を載せて、慈しむように撫でてくれる。 まだキスもしたことがない。 それは俺が、この人の教え子だから。 そしてそれも、もうすぐ終わり。 少なくとも、今までよりは自由に先生と恋愛できる。 「あと一学期の我慢、だな」 「うん、頑張る」 背中に回った先生の腕の中、俺はただ頷く。 この人がいればどんなことだって乗り切れる。 そんな気がした。 ----   [[>>207まあまあ。やっちゃうときは30分とか一時間とか関係ないって。広い心で流してあげるのが大人。>9-209]] ----

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