「9-149」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

9-149」(2012/02/09 (木) 17:52:20) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

オークション ---- 『・・・・・・・・・・・・・・・  お近くでしたら手渡しも可能です。 それではご連絡お待ちしています。    000-0000 ○○県××市△△町1-1  ☆☆ユウジ』 送信クリックしてから、しまったと思った。 あるはずもない出会いを期待したりして、つい手渡し可能としたことを後悔した。 相手は還暦のジィさんかも、いやヤーサンかもしれないのに。 ヤバい!どうしよう…。 コンビニバイトもさすがに深夜のこの時間は暇だ。 「ケイさん、手渡しってしたことあります?」 「いやないよ。面倒だしな」 「俺昨日落札されたんだけど、間違って手渡し可能ってメールしちゃったんすよ。 まだ返事はこないんだけど…やっぱそんなこと書くんじゃなかったな」 「大丈夫だろ。相手も郵送希望って言ってくるさ、普通。 万一手渡しって言われたらちょちょっと渡してくりゃいいじゃん。」 「そっかな?でもカテがカテだし…、怖い人だったらどうしよう」 「?、なにヤバいカテ?何出したん?」 「ヤ、ヤバくはないけど…えっと、ちょっとした雑貨です」 「雑貨ねぇ、今日あたり返信くるだろ。まぁもし手渡しになったらついていってやるよ」 「あっいや、いいっす。子供じゃないから大丈夫っす」 とは言ったものの、まさかホントに手渡し希望してくるとは…。 あぁどうしよう、やだなぁ。やっぱダメって断ったら雨降るだろうしなぁ。 もう約束の時間はとうに過ぎている。 「おい、ユウジ。何してんだ?」 「!!、ケイさん!」仕方なく待ち合わせだと白状する。 「そっか。じゃ一緒に待っててやるよ」 断っても、大丈夫大丈夫って…。まぁ渡すだけなら中身バレないよな。平気だよな。 だけど30分待っても1時間待っても落札者は来ない。 「なぁ、、、おまえの出品したのってこれだよな?」 いきなり差し出されたケータイ画面には、 紛れもなく俺の出品した『灼熱の薔薇~穴瑠の中心で愛を叫ぼう~』のDVDが! なんでそれが…なんで分かったの? あぁ憧れの大好きなケイさんに知られてしまった。もう駄目だ、軽蔑されるに決まってるー。 「これさ、落札したの俺」 「はぁ?…うそ…、だって仲山って書いてあったし…」 あっ、ケイさんって仲山ケイだっけ?!でもでもなんで…。 「つまりさ、そういうこと。帰ってからメールチェックしたら、オクの案内来ててさ、 開けたらおまえの名前があるじゃん。びっくりしたよ。」 「…」 「ごめんよ、探り入れたみたいでさ。」 ケイさんは混乱する俺に2830円を握らせると 「なぁ、これから暇? 『AL-WAYS 二丁目の夕日』のチケット二枚あるんだけど行かね?ほら純君の出てるやつ。 おまえを誘おうと思って買っといたんだけど、なんか言い出しづらくてさ。オクに感謝だな」 「え?」 「それとも俺ん家でこれ一緒に見る?」 「えぇー!」 「俺とデートじゃ嫌か?」 イヤなわけないじゃん。なのに、あまりに急な展開に頭は爆発寸前で言葉が出てこない。 さぁ、行こう、と手を差し出すケイさん。 「う、うん」 一瞬のち、俺はドキドキしながらその手をとった。 ----   [[素直クール×素直クール>9-159]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: