「9-119-1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

9-119-1」(2012/02/09 (木) 17:47:20) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

dat落ち ---- 「それじゃ!名無しにもどるよ」 そう書き込んだ君は、それを最後に本当に現れなくなった。 見慣れたトリップはもう使われないんだろう。 『ボロ原付で日本を一周するスレ』 そんなスレがたったのは、一ヶ月くらい前だったか。 「スペック 男 18歳 童貞 原付歴1年半 相棒もうpしとく」 お決まりの文句とともに書き込まれていたURLをクリックすると、 そこにはホントにボロとしか言いようがないカブが どこか頼りない後姿の君とともに写真でうpされていた。 君は左手を細い腰に当てて、右手は人差し指を伸ばしたポーズで立っている。 その指先をたどると『名古屋駅』の文字が見えた。 細い体の君と、ボロボロのカブ。 「無理だってwwwwwもう止めとけwwww」 そう煽られる事もあった。 でも君は気にする様子も無く、旅を続けた。 そしてその様子をスレッドに書き込み、 時には美しい写真を、時にはちょっとバカな写真を、 うpしていった。 俺は毎日そのスレに通った。 君の書き込みがとても面白かったし、 何より、自分も旅に出ているような気分になれたから。 ともに笑い、ともに悩み、ともに迷い… そう、まるで君と一緒に… 永遠に続くように思った旅路は、長くは続かなかった。 「この調子で行けば、明日には名古屋につくかもしれん」 その書き込みに、俺は胸を締め付けられた。 君との旅も、もう終わる。 「支えてくれたスレ住人達よ!アリガ㌧!  駄目かと思った時もあったけど、  もまえらが励ましてくれたり、助けてくれたからココまで来れた。  皆!でら愛しとるよ!」 君の書き込みを読んだ瞬間、ブラウザが滲んで見えなくなった。 マウスを握る手が震えた。 俺…君と旅をしてる間に君を… そんなキモイ事、書き込めるはず無かった。 立ち止まった俺に、君は気付くはずもない。 君は最後に名古屋駅の前でカブに跨り、 大きくガッツポーズした写真をうpすると、 旅の余韻に浸る間もなくスレから消えてしまった。 残された俺は、dat落ちと書かれたスレタイ一覧を見ながら、 目から汗を流してた。 「はは…俺きめぇ…超きめぇ……っ」 ----   [[バスの運転手>9-129]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: