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エアコンと扇風機 ---- こんにちは、僕はエアコンです。 んなバカなと思うかもしれませんがエアコンなのです。 最近のエアコン内部に知能をもったチップを埋め込まれて…おっと詳しい話は後です。 今日は待ちに待った新入りがやってくる日、主人が帰ってくる音がします。 「ただいまぁ。フー暑かったぁ」 僕はお帰りなさいと呟きます。 もちろんご主人には聞こえませんしエアコンが知能をもっているなんて彼は知りません。 ただ僕を普通のエアコンだとしか思っていないのです。 そんな彼が汗を拭いながら部屋へ新入りを運び入れました。 扇風機というやつです。 新品の扇風機を起動させて主人は扇風機の目の前に座り涼み始めました。 「あー涼しい…やっぱり扇風機だよなー」 何て事でしょう。 毎日昼夜問わず、主人が体を壊さないように風力や向きをコントロールし快適な室温を保ち続けているのは僕です。 それとも外から帰ったばかりで暑かったのでしょうか。 ならばさらに冷やしてあげなければなりません。 役目を奪われた気がして、僕は必死にご主人に風を送ります。 「オイ」 ご主人ではない野太い声がしました。 お友達も一緒なのでしょうか。 「オイ、おまえだよエアコン」 僕は驚きました。 扇風機です。あの扇風機にもチップが埋め込まれていたようです。 「おまえさっきから冷やしすぎだよ。寒がってるだろバカ」 扇風機の声に僕はハッとしました。 つい力を入れすぎてしまったようで、ご主人はクシャミをひとつ。 「ほらバーカ、消されんぞ。これだから自動は…」 なんだかカチンと来ました。 新入りで挨拶もなしにこの言いぐさ。 「…ぶぇくしっ!やっぱり寒っ!消そ」 ご主人にパチッと消されて扇風機の羽はゆっくりと止まっていきます。 「……」 首をうなだれた扇風機からはもう何の反応もありません。 僕と同じように起動時にしか知能を持たないようです。 ちょっとだけ残念に思いました。 また起動したら、あれこれ質問してみようと思いながら僕はちょっとだけ楽しくなりました。 おわり。 ----   [[伝わらないもどかしさ>22-039]] ----

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