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そんなつもりじゃ無いんだけど ---- 「だから、そんなつもりじゃ無かったんだってば」 さっき二人で歩いている時、不意に女の子を目で追った。追ってしまった。 何も意識は無かった。多分。 「……お前さあ」 つりあがった目をさらにつってギロリと俺を睨む 「お前さあ、俺に無いモノ求めるのやめてくれる。じゃあ、女にすればいいじゃんってさあ」 思うじゃん。 バツが悪いのか、はたまた俺の目もつりあがったのが判ったのか、 うつむいたまま絞るように付け足した 「だから、そんなつもりじゃなかったって言ってるだろ。町中の人間誰も見ちゃいけねーのかよ」 「そんな事……」 大きな声で半ば逆ギレみたいになった自分をひそかに反省する。 判っている。俺は男も女もいけるクチだから、俺もこいつも何か焦ってるんだ。 二人とも黙ってしまう。 何て言えば、ナカヨくできるのか。こんな変な喧嘩、早く終わらせたい。 だって―― 「お前が好きなんだよ」 先に言われてしまい、何も言葉が出なくなる。 「女なんてさあ、勝てねーよ。俺おっぱいとか無いしさあ。髪とか……やわこく、ねえしさ」 さっきとは違う意味でうつむいたこいつに両手を伸ばす。 きつく抱き締めて、ぴょんぴょん跳ねる猫っけに頬を寄せた。 「俺も、お前が好きなんだよ」 低い嗚咽が聞こえる。 こんなヤキモチやいて、こんな事で泣くこいつが時々すげえ面倒だけど好きで、俺は、 「お前が好きで、女とか男とかそういう事じゃなくて、すっ……好き、で、  それから、どうしようもなく好きで、好きで……好きで、俺……どうすればいいのかな。  俺、頭悪くてさあ」 相手のすすりに合わせて俺の目にも涙がにじんだ。 ――しばらくこのままで居ればいいんだよ。このバカ。 そう答えられた時には、ひと粒ふた粒こぼれていたけど。 ---- [[露出狂×お巡りさん>20-959]] ----

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