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友人だからこその気持ち ---- 好きだ。 お前のことが、好きだ。 何より大切で、側にいたい。 お前の事を考えると苦しくなって、でも、考えると幸せになって。 「…なんて、言えれば楽になれるだろうになぁ…」 「何が?」 「んー…別に。何でもない」 ふと呟いた言葉を聞かれてしまったらしく、隣で本を読んでいた昌也が顔をあげる。 「何でも無い事あるか 今何を言ったんだよ」 「聞こえてなかったなら気にすんなよ」 「気になる」 「気になるな」 特に目も合わさず、声も荒げる訳でもなく、ただ淡々と言葉を交わす。 アイツだって別に聞きたい訳ではなく、単なる言葉遊び。 好きと言葉を伝えれば、この苦しい思いは楽になれるだろうけれど、その代わり、失う物もあるかもしれない。 もしも、この想いを拒否されれば、今のこの時間すら失う。 それは怖い。 今の友人という立場を失うのは、怖い。 何気なく君がいるこの空間がなくなるのは、耐えきれない。 「言えないな」 「悪口か」 「さあね」 悪口だったら、どんなに楽だろうか。 ---- [[当て馬同士の恋>20-749]] ----

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