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平民低身長×貴族高身長(のほほん) ---- 「やあ、お久しぶりで!」 後ろからの声に振り返ると、一ヶ月前より日に焼けた彼がにこにこと敬礼していた。 小麦色の肌に愛嬌のある笑顔がよく似合う。 「遅かったじゃないか、休講は先週までだぜ」 「そこで、今から教授のご機嫌伺いに行くのですよ」 「一緒に行こう」 「お忙しいのでは?」 「暇さ。君がいないとどうにもつまらない」 「ご冗談を」 「本当さ。他の連中は大抵、僕と本気で喋ろうって気がないとしか思えないね」 「皆恐縮しちゃうんでしょう、おそれ多くって」 「よく言うぜ」 呆れた顔を見せると、彼は声を上げて笑った。周りの学生がちらちらと振り向く中、僕らは肩を並べて歩いて行く。 幾分歩幅の違う二人だが(失礼)、彼は快活な足取りを披露して、それを全く苦にしない。 僕はやっと、細胞が覚醒して、休暇ボケから覚めていくような気がした。 「帰省中何をしていたんだい」 「見ての通り、野良作業ですよ。ああやって腰曲げてばかりいるから、背が伸びないんだな」 「君んちは地主なんだろ?」 「そのはずですがね。多分、貴方の想像なすってる地主とは、虎と猫ほど規模が違うんじゃないですか。 だがそれにしたってうちのお袋は頭がおかしい…、普通田舎に帰ったら、 そんな暇があれば勉強してろと言われるか、ちやほやされるかじゃないのかな。 それをさんざんこきつかいくさって…」 「だが料理の腕は素晴らしいよ」 「……」 「……」 「…うちで焼いたパイなら、今回もありますけど。帰りに寄られますか」 「お言葉に甘えよう」 「物好きな方だな。ただの田舎パイじゃないか。何がいいのかなあ」 そんなことを言い合ううちに、もう目的地の前だった。 「とにかく、復学が遅れるのは良くないな。 授業のことはともかく、僕を一人にして、退屈させるのは良くない」 「物好きな…、ほんと、何がいいのかなあ」 彼は首をひねりつつ、研究室へと入って行った。 ----   [[平民低身長×貴族高身長(のほほん)>8-529-1]] ----

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