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あなたの後ろに ---- 君の後ろを、僕は歩く。 「オレたち、中学卒業してもまだこうやってるんだろうな……きっといつまでも」 たわいのない君の一言。僕は小さくうなずいて、 「そうだね」 そう言って、空を見上げる。 「まあ、またなんかあったらオレに言えよ。ちょっとくらいはお前の力になってやれるから」 振り向いて後ろ歩きをしながらにいっと笑う君。 「僕だっていつまでもガキじゃないよ」 夕日を逆光に受けた君の笑顔は本当にまぶしくて、僕はなんだかとても優しい気持ちになれた。 ねえ知っているかい? 僕はその、君の笑顔が好きなんだ。……好きだったんだ。 君の後ろを、僕は歩く。 月のない道を、君はよろよろと。 電信柱にぶつかって、そして君は泣いていたね。 「馬鹿やろう……いつまでも、一緒にいるんじゃなかったのかよ!」 君のそんな顔と声に、僕はものすごく申し訳ない気分になった。 慣れない酒のせいで、君はいつもよりも不安定で。 「ごめんね」 僕はそう言って彼を抱きしめた。抱きしめたかった。笑って欲しくて、ただそれだけのために。 僕は今はもうぬくもりなんてないんだけれど。きっと気付くことはないんだろうけど。 ----   [[一日違いの誕生日>8-219]] ----

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