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ウォシュレット ---- ウォシュレット付きトイレ。 「…おぉ…コレが噂のッ…!!」 たかが便器如きで思わず膝をつき観察する俺。 貧乏人な俺とはえらい違いだ。 「いまどき珍しくないっつーに」 「いーやッ、珍しいね! 一般家庭でこんなんがあるだなんて、ましてやお前、学生一人暮らしだろ!?」 お前は呆れながら無視。だけど俺はなんだか用を足してしまうのが勿体無くて、 便座くらい自分で上げろっつのなんて思いながら、便座をリモコンで上下させつつ遊んでいた。 「お、ウォシュレットボタンだ。押してみよ…」 俺は遂に床に座り込み、リモコンのボタンを押す。 ピッと機械音がして、便器の奥から細長い棒が出てきた。 なんだかこの時点で軽く感動。たかがケツ洗う道具に。 そして次の瞬間、先っぽから水が びしゃーッ! 「ぬおおおおおおッ!?」 水が、真上に飛び散りだした。 声を聞いてお前が飛んできた。 「おまえストップボタン押せこの馬鹿アホドジ間抜け!」 お前はその長文を一息で言うと、俺が行動するより先にリモコンをかっさらい、自分で押した。 激しく飛び散った水。天井、壁、床、いたるところが濡れていた。 おぉ、ウォシュレットの威力…これでケツ洗ったらむしろ痛そうだ…。 なんだか俺は別の意味で感動した。 「お前、死ね」 「いやぁ、こんなことになるとは…」 「拭け!雑巾で拭け!お前が雑巾になれ!」 そんなお前を前に。 「…なぁ、【便意リズム】ってどんな音楽なんだ?」 俺は、不思議なポップスに関心を寄せていた。 ----   [[かぶとむしとくわがた>8-189]] ----

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