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胸責め
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「……おい」
低く咎める声を無視して、更に行為を続ける。しつこく、集中的に。
言葉で言ってもきかないのならば行動で、とばかりに嬲る手に爪が立てられた。
「爪、立てないで下さい」
「立てるな、っじゃねーよ…! てめ…いい加減、やめ、ろ!」
腕の中の彼が、振り返って私を睨んだ。
鋭い目付き。しかし目尻は赤らみ、目もすっかり潤んでいる。
「やめて、どうして欲しいんです?」
わざととぼけて返すと、彼は唇を噛み、再び私を睨みつけた。
プライドの高い彼は、決して私にその先を強請ろうとはしないだろう。
例えどんなに身体が、胸以外の部分へと刺激を欲しがっていても。
「う…っ」
右手で、突起を押しつぶしてやる。彼は息を飲み込み、俯いた。
目の前の首筋に浮かぶ汗を舐め取ると、彼の背中が小さく跳ねる。
「…も、やめ……い、た…」
「痛い?」
漏らされた声に問い返す。彼は頷きを繰り返し、痛いと再び小さく呟いた。
そういえば随分と長く弄っているから、敏感になり過ぎたそこは赤く腫れているようにも見える。
もう焦らすのはやめようかとも思ったが、直ぐにその考えを打ち消した。
今までは彼の思いを先読みし、満足させることを優先してきた。
でも今日は違う。今日こそは彼に強請らせたい、そう決めていた。
「……っあ?」
彼の身体の向きを変えさせ、ベッドへと組み敷いた。
ようやく違う刺激を与えられると思ったのか。彼が幾分安堵した表情を浮かべる。
しかしその表情も、私が左胸に舌を這わせた途端、おそらく打ち消されただろう。
非難の声と共に、彼の手が私の髪を掴んだ。
まだだ、まだ解放しない。この一点への愛撫は。
早く言えば良い。先を強請る言葉を。私を欲しがる言葉を。
彼が涙の滲む声で私の望む言葉を口にしたのは、それから十数分後の事だった。
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[[わんこ×ぬこ>1-919]]
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