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博愛主義者×筋金入りの人間嫌い
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博愛主義者はみんなが仲良く笑っていられる空間が好きだった。だから人間嫌いにも、この輪に入って欲しかった。
「俺に関わるな」 人間嫌いが言った。
「どうして?みんなで一緒にいる方が、楽しいのに」
「みんな一緒がそんなにいいとは思えんがね」
「一人でいるのは寂しくないの?」
人間嫌いは沈黙していた。これ以上、聞きたくなかった。
「ねえ、一緒に行こうよ。君のことが心配なんだ」
「…偽善だな」
「…え…?」
「お前は…相手が誰でも同じだ。これ以上、俺を怒らせたくなかったら…もう、俺に関わるな」
愕然とする博愛主義者に人間嫌いは背を向けた。
博愛主義者が受けた初めての拒否。そして生まれた初めての感情。それは痛みを伴い、切なく心を縛る。
みんなを見つめる為の目が、一人をとらえて放さない。
立ち去り歩み続けながら、博愛の精神が汚れない心からであることを知っている人間嫌いは人知れず涙した。
「…俺をお前の中の『みんな』にしないでくれ」
これから始まる物語は、二人の汚れない心の持ち主の物語。
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[[マジックテープのザラザラ面とサラサラ面>1-739]]
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