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冒険家仲間
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「昔誰かの対談で読んだんだけど…あ、片方はシーナマコトだったはず」
「え?なに?」
「冒険家って、単に想像力が乏しい人種なんじゃないかって…自分達が困っている状況が
想像できないだけなんじゃないかって」
その顔は笑っているけれど、声はすこし強張っている。自分達は明日から冬山に
登る。付き合いだしてから、関係が仲間から恋人に変化して初めて。
準備は遺漏なく整えているはずだが、いつだって万一はある。
…そしてその可能性がなければ登山なんてしない。
「ああ、俺には想像力がないな、確かに。だからお前と付き合うのも想像だけじゃ
我慢できなかったんだ」
そして彼を組み伏せる。湯を贅沢に使った入浴直後の彼の身体を抱きしめるのは
しばらくお預けとなるだろう。
玉砕を覚悟したあの告白の時に比べたら、正直なところどんな冒険もスリルに欠ける。
だから今後、自分達の行き先はどんどん過激になるのかもしれない。
それとも二人で巣作りを始めて、これを最後に冒険は終わりになるのかも。
ひょっとしたら、今回の山で人生自体が終わりになるのかも。
想像力の乏しい俺には、まるで予想が出来なかった。
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[[交番勤務の警官×本庁の刑事>6-729-1]]
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