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 勘違い
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 佐倉は俺を選んだわけじゃない。
 男が切れて寂しかったから。
 ルームメイトが俺だったから。
 俺が佐倉の性癖を嫌悪しなかったから。
 ほら、理由はいくらでもある。
 
 だから、「もしかして佐倉も俺のことを……」なんて勘違いしちゃ駄目だ。
 
 佐倉の好みは年上の渋いパパ。
 間違っても俺みたいな青臭い同級生じゃない。
 佐倉の基準はお金持ち。
 自立もできていない俺なんて問題外だ。
 佐倉が俺に目を向けるはずがないんだ。
 
 勘違いしちゃいけない。
 いくら俺が佐倉を好きでも、アイツにとって俺はセフレなんだ。
 
 あぁだけど、分かってはいるけれど。
 隣で眠る佐倉のあどけない顔を見ながら、思わずにはいられない。
 
 大丈夫。分かってる。
 梅宮は、ただ同情してくれてるだけ。
 
 男が切れたなんて嘘。
 誰かと付き合ったことすら、一度もない。
 年上のパパが好みっていうのも嘘。
 好きなのは、今までもこれからも一人だけ。
 
 気持ちごとなら重くても、身体だけなら慰めてくれるかもしれない。
 そう思って、浅ましく誘った。
 抱いてくれてありがとう。
 優しさを利用してごめん。
 大丈夫、勘違いはしない。
 僕は梅宮を好きだけど、彼は僕を好きじゃない。
 ほら、ちゃんと分かってる。
 
 いつものように布団を抜け出して、眠る梅宮を横目に服を着る。
 それから彼の髪にちょっと触れて、目覚ましをかけて部屋を出る。
 昼間はただのルームメイト。
 この関係は夜だけ。
 ちゃんと区別する。
 
 
 勘違いしたり、しない。
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-[[夜道>6-589]] 
+[[夜道>6-579]] 
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