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大人と呼ぶにはまだ早い ---- 「愛してるよ、伊藤」 「はいはい」 「大好き」 「俺もですよ」 軽く流すことに勤める俺に、奴は頬を膨らませた。いくつだよお前。 「真面目に聞いてよ」 「真面目に聞いてますよ。で、何だって?」 やっと俺が弁当から顔を上げたら、奴はぷいと顔を背けた。 いちいち子供っぽい怒り方に笑いそうになるが、そこは抑える。 2人しかいない昼の放送室。誰も見てない空間。 まぁ、こんな場でならタワゴトを聞いてやらんでもない。 俺が弁当を食い終わって、小さくゴチソウサマを呟くと、奴はやっとこっちを向いた。 「俺はさ、伊藤とずっと一緒にいたいわけよ」 「アリガト」 子供じみた言葉。笑える反応を期待していたが、その顔は意外に真剣なままだった。 口周りに一杯弁当つけてさ?決まらない奴だねどうも。 「伊藤は俺のこと、どう思ってる?ただの友達?」 「坂内は坂内でしょ」 「そうじゃなくてさぁ・・・」 何だよ。ちゃんと答えてやったのに文句言うか? 「お前がホモだろーが変態だろーが手近なので済ませたいだけのスケベだろーがな」 俺たちは、家庭内では子供と呼ばれる。社会では大人かというとそうは言わない。 「・・・ただ、俺を好きなだけだろーが、まんま受け止めてやるっつってんだよ」 大人と呼ぶにはまだ早い心と体。子供と呼ぶには熟したそれら。 こんな今だからこそ、馬鹿な夢を語っても赦されるよな? 言葉の意味を理解しかねて、妙な顔をしている奴の、 口の端についた米粒を舐め取ってやった。 ----   [[クルデレ×ツンデレ>6-519]] ----

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