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今夜もひとり生け贄になる 手足も口も動かぬままに ---- 外はもう日が暮れたのだろうか。この部屋には窓がないので分からない。 夜の訪れと共に父さんがこの部屋にやってくる、その時だけ、廊下の明かりが僕をわずかに照らす。 『あぁ、ジャック。私の愛しい息子よ』 父さんのしわがれた声が聞こえ、父さんのかさついた指が僕の頬に触れる。 僕は動くことも声を出すこともできず、ただじっとこの儀式めいた淫靡な時が過ぎるのを待つ。 『この陶器のようにすべらかな肌、絹のようになめらかなブロンド、サファイヤよりも透き通った瞳。 おぉジャック、お前は私の最高傑作だ!』 父さんは近頃、仕事をしていない。昼間は酒ばかり飲み、夜には僕と淫らな行為をする、その繰り返しだ。 僕は、父さんが生きるための贄なのだ。 『ジャック、ジャック……』 父さんの舌が全身を這い回り、父さんの手が肌をまさぐる。 それらは全て、僕にえも言われぬ快感をもたらす。あぁ、僕が父さんの贄であるなら、父さんこそが僕の糧だ。 やがて父さんは僕の顔に吐精すると、後始末のために一度部屋を後にした。 温かな白濁液が僕の頬を伝って、それはまるで流すことのできない僕の涙の代わりのようだった。 人形の僕には繋がるための楔も蕾もないけれど、身内に潜む父さんへの愛だけは本物なんだ。 ----   [[アメフラシとてるてる坊主>6-499]] ----

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