「6-409-1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

6-409-1」(2011/04/18 (月) 00:57:16) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

βエンドルフィン ---- ――君といるとどきどきします。 「きっとさ、β-エンドルフィンが分泌されてってやつだよね」 ふたりでぼんやり、いつものように時間を過ごす。見たかったテレビドラマも終わったので、 僕はふと隣の男に話題を振った。 「だから俺、お前と一緒にいたりエッチしたりすると幸せなんだ」 すると、ソファの上でだらしなくくつろいでいるそいつは、僕の方を見もせずにへぇボタンを 押す仕草だけをしてみせた。 「へぇへぇ。2へぇ」 「微妙にふりぃよ」 「微妙なのかよ」 「やっぱ大分古い。まあそれはともかく、β-エンドルフィンですよ、β-エンドルフィン」 「ベタ・エンゼルフィッシュね。金魚でも飼うの?」 「せめて熱帯魚って言えよ」 「べーた…べた…煙突……やっぱおれギャグのセンスないのかも」 ああ、聞いてて悲しくなってきた。そこまで寒いともう一つの才能だ。 僕が「今更気づいたわけ?」とおちょくると、「言ってみただけなわけ。んなもん小学生の ころから知っとるわ」と帰ってきた。いや、自覚してるって知ってるけど。僕も聞いてみただけ。 「で、何でβ-エンドルフィン?」 「いや、こないだうちの妹が授業で習ったって」 「ふーん」 「脳内麻薬でモルヒネで痛み止めらしい」 「何じゃそれ」 食いつきの悪いやつめ。人付き合いも悪いやつめ。うん、まあそんな君も好きですけど。 「で、で、好きなこととか嬉しいことがあると分泌されるらしいのね」 「うん」 「ほら、俺の趣味は僕の目の前のあなたです!から」 びしぃっと人差し指を突きつけてやったら、特に感じ入った様子もなくあくびをひとつ返された。 ちょっとムカツク。うん、まあそんな君も好(ry 「はいはい。ありがとうありがとう」 「えー、つまんねーなー、前はもっと照れてくれたのに」 「つるんで4年目になるのにいちいち照れてられないから」 「あっそう。別にいいけど」 「まあつまりあれだよ、あれ」 「どれ」 「たとえばーきみがいるだーけでこころがー。…はいっ」 「つよくなれるーことー」 「なによりーたいせつなもーのを、…続きは?」 「きづかせーてくれたねー。これでいい?」 「うん、いい。つまりそういうことなのよ。オーケー?」 つまり、毎日こうして馬鹿馬鹿しい話をしたり、じゃれあったり。君がいるだけで、そういうことが幸せなわけだ。 エンドルフィンだのアドレナリンだの、むつかしいことはよく分かんないけど、まあそういうことだろう。 そして君は笑って言う。 「オーケー」 ----   [[βエンドルフィン>6-409-2]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: