「6-399-1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

6-399-1」(2011/04/18 (月) 00:55:51) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

永遠に置き去り ---- 『拝啓、お元気ですか。僕の方はぼちぼちやっています。  そっちはどうですか?変わりなくやっているでしょうか。  …堅苦しい文はやっぱり苦手です。  会いたい。会いたい。今どこにいますか。何をしてますか。  僕は相変らず、君を そこで僕は我に返って、便箋からペンを放した。これ以上、言葉になんて 出来ない。言葉にしたって、仕方ない。 あいつは僕を置いて、遠いところへと行ってしまった。 …それは少し語弊がある。僕たちは、別々の道を行くことにした。 今でも僕はかれのことを愛しく思っているし、かれも僕を嫌いになんてなっていない。 だけど、かれの目指す未来は、僕の横にはいてくれなかった。 「行きなよ。今しかないんだから」 笑ってそう言ってやれて、ほんとによかった。泣きながら送り出すなんていやだった。 分かってた。 ぼろぼろの男二人暮らしの部屋の中でひとつだけ、ぴかぴかに磨かれたギターを 大事そうに抱える姿を、僕はずっと見てきたから。 君はいつか僕の手の届かないところに行ってしまうんだって。 なんでもない振りをして、送り出してやるのが一番いいことだって。 書きかけの手紙をあて先のない封筒に入れる。胸がぎゅっと鳴った。 『僕は相変らず、君を愛しています。』 そんな言葉を伝える必要は、もうどこにもないのだ。 ――こんな風に誰かを好きになることは、もうきっとない。 だけど、もう振り返らないと決めた。後悔も未練も永遠に置き去りにして、 僕は君の夢が叶う日を夢見ながら、生きていこうと思う。 ----   [[βエンドルフィン>6-409]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: