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寒がり×暑がり ---- 「う~寒いよー・・・そっち行っていい?」 キンとした空気漂う寝室で僕は呟いた。 「ヤダ。暑苦しい。」 隣りで眠る恋人はマジな声で言って背中を向けた。 「クーラー効きすぎだよー・・・布団独り占めしないで~。」 設定いくつにしたんだよー・・・地球温暖化徹底無視かよー。 「俺はクーラーガンガン効いた部屋で布団にくるまって寝んのが好きなの~。」 そう言ってさらにモソモソと布団にくるまる。 あなたは猫か! 「そんな~っ。僕が寒がりだって知ってるだろ~?風邪引いちゃうよ~。」 あまりにも寒くて自分を抱きしめてシーツに身体をこする。 摩擦で一時的に熱くなるけど、それは確かに一時的なものなわけで。 「もう一枚出せばいいじゃんか。こんなバカでかいベッドなんだからよ。」 ふたりで選んだ愛の巣(と言ったら思いっきり殴られた。昔。)なのに・・・ なのに別々の布団で寝るなんておかしいじゃないか! なんだか自分の置かれた惨めで寂しい姿にだんだんと怒りが・・・ 「ううう・・・もういい・・・あなたは僕が風邪引いてもいいってゆうんだね?」 悪いけどあの手を使わせてもらうよ。 汚い手だが仕方あるまい。 「・・・逆ギレか?ウザー。」 ウザーとか言う?!しかも逆ギレとも思えないんだけど! 「どうなっても知らないよ?僕が風邪引いたら明日出かけることもできないんだからね?」 「!」 「明日は水族館行く予定だったよね?あ~あ寒い寒い、このままじゃマジで風邪引いちゃうよ。  残念だな~明日せっかくいい天気でお出かけ日和なのになぁ~・・・ハックション!」 と、我ながらヘタクソなクシャミもおまけしてみる。 といっても、目の前の恋人はそれこそ口は悪いし態度も悪いが、 見かけに反して中身が結構天然なので案外バレないのだ。 (以前、家の何もないところでコケてるのを見て確信した。) 「う~・・・」 「風邪引いたら車も運転できないし、家に居るしかないね。どうせあなた運転しないでしょ?」 「く~っ・・・」 どうもにもよく分からない唸り声を漏らした後、ペッとぶっきらぼうに布団を寄越す。 依然として背を向けたままの恋人に、僕は満足気に微笑んで、いそいそとそこに潜り込んだ。 「ん~あったかい。」 「絶対明日連れてけよ!!これで風邪引いたら許さねえからな!!」 「分かってるよ・・・ふぁ~・・・」 持ち前の気性を取り戻した恋人の悪態をアクビ混じりに聞きつつ、 そのまましっかり抱きしめて眠りについた。 ----   [[踏むんだったらそれなりに覚悟して踏めよな>7-759]] ----
寒がり×暑がり ---- 「う~寒いよー・・・そっち行っていい?」 キンとした空気漂う寝室で僕は呟いた。 「ヤダ。暑苦しい。」 隣りで眠る恋人はマジな声で言って背中を向けた。 「クーラー効きすぎだよー・・・布団独り占めしないで~。」 設定いくつにしたんだよー・・・地球温暖化徹底無視かよー。 「俺はクーラーガンガン効いた部屋で布団にくるまって寝んのが好きなの~。」 そう言ってさらにモソモソと布団にくるまる。 あなたは猫か! 「そんな~っ。僕が寒がりだって知ってるだろ~?風邪引いちゃうよ~。」 あまりにも寒くて自分を抱きしめてシーツに身体をこする。 摩擦で一時的に熱くなるけど、それは確かに一時的なものなわけで。 「もう一枚出せばいいじゃんか。こんなバカでかいベッドなんだからよ。」 ふたりで選んだ愛の巣(と言ったら思いっきり殴られた。昔。)なのに・・・ なのに別々の布団で寝るなんておかしいじゃないか! なんだか自分の置かれた惨めで寂しい姿にだんだんと怒りが・・・ 「ううう・・・もういい・・・あなたは僕が風邪引いてもいいってゆうんだね?」 悪いけどあの手を使わせてもらうよ。 汚い手だが仕方あるまい。 「・・・逆ギレか?ウザー。」 ウザーとか言う?!しかも逆ギレとも思えないんだけど! 「どうなっても知らないよ?僕が風邪引いたら明日出かけることもできないんだからね?」 「!」 「明日は水族館行く予定だったよね?あ~あ寒い寒い、このままじゃマジで風邪引いちゃうよ。  残念だな~明日せっかくいい天気でお出かけ日和なのになぁ~・・・ハックション!」 と、我ながらヘタクソなクシャミもおまけしてみる。 といっても、目の前の恋人はそれこそ口は悪いし態度も悪いが、 見かけに反して中身が結構天然なので案外バレないのだ。 (以前、家の何もないところでコケてるのを見て確信した。) 「う~・・・」 「風邪引いたら車も運転できないし、家に居るしかないね。どうせあなた運転しないでしょ?」 「く~っ・・・」 どうもにもよく分からない唸り声を漏らした後、ペッとぶっきらぼうに布団を寄越す。 依然として背を向けたままの恋人に、僕は満足気に微笑んで、いそいそとそこに潜り込んだ。 「ん~あったかい。」 「絶対明日連れてけよ!!これで風邪引いたら許さねえからな!!」 「分かってるよ・・・ふぁ~・・・」 持ち前の気性を取り戻した恋人の悪態をアクビ混じりに聞きつつ、 そのまましっかり抱きしめて眠りについた。 ----   [[受で夫・攻で妻>7-769]] ----

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