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本当にそれでいいの? ---- 「へえ、アイツと、ねえ……」 「お前には、言っとかなきゃなんねえかな、と思って」 「何で?」 「……付き合い長いし、アイツの親友はお前だし」 「そっか」 俺がアンタを好きだって知ってたからだろ。諦めろって暗に言ってんだろ。 言い訳みたいな、無理矢理に理屈付けるような、そんな理由は要らないんだよ。 「じゃあ、奪うしかないんだ?」 「……何をだよ?」 アンタは笑って、でも震えるような声でそう言う。 「アンタを」 「馬鹿言ってんなよ」 誤魔化したいんだろ。俺の気持ちも言葉も、なかったことにしてアイツといたいんだろ。させるかよ。 「本当に、アイツでいいの?」 「……いいよ」 言葉に混じる躊躇い。俺を切り棄てたくても棄てられない。俺はアンタの友達で、アイツの親友だから。 仲がいいから知ってる。アンタの弱点。アイツもそこを狙ってアンタを自分のものにした。 アイツのことも俺のことも、裏切れない。どっちも放せない。大事だから。放したら傷付くから。 でも俺には、アイツのものになったアンタと友達でいる気なんてさらさらない。 「ねえ、本当にそれでいいの?」 「いいっつってんだろ!しつけえぞ!」 「俺じゃなくて、アイツで本当にいいって思ってんの?」 腕を掴んで引き寄せて耳元で脅すように呟くと、アンタの身体が一度ビクリと震えたのが、手に伝わった。 ----   [[美術室×音楽室>7-549]] ----
本当にそれでいいの? ---- 「へえ、アイツと、ねえ……」 「お前には、言っとかなきゃなんねえかな、と思って」 「何で?」 「……付き合い長いし、アイツの親友はお前だし」 「そっか」 俺がアンタを好きだって知ってたからだろ。諦めろって暗に言ってんだろ。 言い訳みたいな、無理矢理に理屈付けるような、そんな理由は要らないんだよ。 「じゃあ、奪うしかないんだ?」 「……何をだよ?」 アンタは笑って、でも震えるような声でそう言う。 「アンタを」 「馬鹿言ってんなよ」 誤魔化したいんだろ。俺の気持ちも言葉も、なかったことにしてアイツといたいんだろ。させるかよ。 「本当に、アイツでいいの?」 「……いいよ」 言葉に混じる躊躇い。俺を切り棄てたくても棄てられない。俺はアンタの友達で、アイツの親友だから。 仲がいいから知ってる。アンタの弱点。アイツもそこを狙ってアンタを自分のものにした。 アイツのことも俺のことも、裏切れない。どっちも放せない。大事だから。放したら傷付くから。 でも俺には、アイツのものになったアンタと友達でいる気なんてさらさらない。 「ねえ、本当にそれでいいの?」 「いいっつってんだろ!しつけえぞ!」 「俺じゃなくて、アイツで本当にいいって思ってんの?」 腕を掴んで引き寄せて耳元で脅すように呟くと、アンタの身体が一度ビクリと震えたのが、手に伝わった。 ----   [[本当にそれでいいの?>7-539-1]] ----

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