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止めを刺される ---- 昨日一晩考えた。俺は立石のことをどう思っているのか。 一晩中真剣に考えて真剣に自分の気持ちと向き合ってみた。 …まあ時々体育祭とか、あとついこの間の文化祭の時の立石の写真を見ながらだけど…。 他にも立石から来たなんてことないメールとか、くだらない写メとかも見たけど…。 そしてとりあえず出た結論は、やっぱりあいつ外見も内面もイケメンだわ、だった。 うん、俺の気持ちはほら、あれだな。憧れ。だってあいつマジですげえもんな。 顔はもちろん、努力家で頭もいいしスポーツも好きだし人望だってあるし。 ああ見えて実家が寺だかで結構真面目だし、かといってふざけないわけでもなくノリもいいし。 かっこいいからうらやましいって感じなんだな、うん。 「お、おはよう伊藤」 全く罪な男だぜ畜生…なんて思っていたら、正に張本人の立石が下駄箱の前にいた。 「うわ立石!なんだよびびらせんなよ!」 なんだよなんで下駄箱の前なんかにいるんだよイケメンのくせに! 「そんな驚くなよ~。教室まで一緒に行こうぜ」 爽やかなイケメンスマイルでそんなこと言うんじゃねえ!心臓バクバクすんだろうが! 「お、おう…。というか、お前あれだな、今日結構早いんだな!」 「ああ、伊藤が今日日直だから、早く来るだろうなと思ってさ」 昨日言ってたCD全部持ってきたんだぜ、なんて歯を見せながら笑うなよ!にやにやすんだろうが! 「あーCDな、うん、サンキュー」 「俺のプレイヤーにも入れてきたからさ、教室で一緒に聴こうぜ」 イヤホン半分こな、とか言うなって!窓から大声で叫びたくなんだろうがっつーの! 「お、おう…ありがとな。CD全部一気に持ってくんのは重かっただろ。悪いな」 必死に冷静なふりを装って返事をした次の瞬間。 「ああ、伊藤のためなら全然重くねえもん」 これでもかというくらいのイケメンスマイルでそう言われた俺は、多分試合で言うなら完全にノックアウト。 止めの一撃を笑顔で決めてくるなんて、やっぱりイケメンってスゴイ、俺は改めてそう思った。 ----   [[二人がかりで>19-929]] ----

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