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「…で、どうしてお前がここにいるんだ」 「…それ、俺が一番言いたい台詞」 ほんの好奇心だった。 ほら、あるだろ、少し前に流行ったメイドリフレってやつ。メイドさんがマッサージしてくれるやつ。 可愛くてうまい娘いるって後輩から聞いて、ちょっとだけ興味沸いたわけよ。 …まさか、昔からずっとつるんでるこいつ(もちろん男)が出てくるなんて予想もしてなかったわけよ。 「人手が足りないと頼まれたんだ。こんな制服だけど、給料がよくて助かる。何より腕を買っていただいた。それだけでありがたいよ」 整体師として開業するのがこいつの夢だ。そういやこないだ、新しい仕事先ができたと言っていた。力を発揮できると嬉しそうにしていた。真面目なこいつらしくて微笑ましかった。 …が、よりによってこの店かよ。いくら頼まれたからって、女装してまで働かねえよ、フツーは。これも真面目で片付けていいもんなのか…。頼むほうもどうかしてるよな。本当に腕見込んで頼んでんのかな。 そんなことをグダグダ思いつつ、ベッドに横にされて、肩や腕をほぐされながら、俺はこいつを改めて眺めた。メイドリフレってだけあって、こいつもばっちりメイド姿だ。恥ずかしげもなく堂々と接客してるのがこいつらしい。化粧とウィッグで微妙に雰囲気変わってる。 …まあ、元々顔は悪くない奴だし、痩せてるし、一見すると中性的な美人って感じかな。ちょっと腕周りとかきつそうだし、スカートも短いけど。 ……似合ってるとか思うのは、結構可愛く見えたりとかするのは、たぶん俺が頭おかしいんだよな。…たぶん。 ……揉まれるのが気持ちいいのも相まって、なんか変な気持ちになってきた。気を紛らわそうと悪態をつく。 「…可愛い姉ちゃん来てくれると思ったらさあ、お前だもんなあ。詐欺だろこれ。店長訴えてもいい?」 「駄目だ。せっかくの仕事の機会を反故にしないでくれ」 「つーか、喋ったら男だってバレバレだろ。客ドン引きだよ」 「普段はなるべく声を出さないようにしているよ。黙っていれば分からないみたいだな」 「サービストークできないメイドなんて人気なさそうだけどなー」 「そのぶん、技術で満足させるさ」 こいつはそう言ってふっと微笑んだ。 うっ、…な、なんだこの感じ…!女の子に可愛いとか思うのと一緒じゃねえか!……こいつに?どうしちゃったの俺!? おかしい、俺おかしい。メイド姿のこいつを見てから何かがおかしい。なんでこんなに顔が熱いんだよ。…畜生、この部屋に何か変なもん撒いてあるんじゃねえのかよ… 「よし。次はうつ伏せになってくれないか」 内心動揺する俺にはお構いなしに、こいつは次の指示を出した。言われた通り寝返りをうって背を向けると、…あろうことか、こいつは俺を跨いでベッドの上に仁王立ちして、 「い…!?」 突如踵で太股を踏まれ、思わず身体がびくんと反り返ってしまった。 「あででで、なんか痛え!けどくすぐってえ!!うはは、ああ、やめ、」 「ずいぶん張ってるな、かたいぞ…こら、動くなっ」 …少しすると、だんだん押されることが快感になってくる。気持ちいい。うまいな、こいつ、…ていうか踏むの!?こんなこともされんの!? ふと我に返って、自分が置かれている状況を把握した時、俺は軽く混乱した。 メイド姿の、こいつに、踏まれて、……な、なんだよ、なんで俺、こんなに息荒くしてんだよ!!……うー、なんか変態みてえ…泣きそう。 「…ごめん、痛かったかな」 「ち、ちげーよ、踏まれんのが気持ちイイんだよ、…」 眉をひそめて黙りこんだせいか、心配そうな声が頭上から降ってきた。とっさに返した言葉もなんか変態じみてて、余計に泣きそうになる。 対するこいつの声は、ほっとしたものになった。 「そうか、よかった。…それにしてもお前、ずいぶんあちこち凝ってるな。今度、家でも施術しようか?」 「…へ?」 身体を起こして振り向いた俺に、屈みこんだこいつの顔が急接近する。…う、また動悸が… 「むしろ、やらせてくれ。俺はもっと上達したい。練習台にするようで申し訳ないけれど、お前の身体が整うなら一石二鳥だ。未熟な施術だけど…駄目かな」 真摯な眼。…ああ、こいつは格好とかそういうのも全然気にしないで、ただ技術を高めたくて頑張ってんだな、…そう思った。 こいつのそういうとこが、俺は、 「…メイド服着んの?」 って何どうでもいいこと聞いてんの俺ー!!バカすぎるだろ俺!! 「流石に着ないが、…お望みか?」 「い、いや、冗談だからな!」 ちょっとだけ開いた新しい扉を閉じようと必死で頑張る俺の努力を、 「構わないぞ。お姉さんに任せなさい」 こいつは、こいつなりの冗談ととびきりの笑顔で、…あっさり無駄にした。
こういう、お題になる予定じゃなかったネタでもさらりとまとめて萌えさせてくれるお姉さん方が大好きです。踏んで ---- 「…で、どうしてお前がここにいるんだ」 「…それ、俺が一番言いたい台詞」 ほんの好奇心だった。 ほら、あるだろ、少し前に流行ったメイドリフレってやつ。メイドさんがマッサージしてくれるやつ。 可愛くてうまい娘いるって後輩から聞いて、ちょっとだけ興味沸いたわけよ。 …まさか、昔からずっとつるんでるこいつ(もちろん男)が出てくるなんて予想もしてなかったわけよ。 「人手が足りないと頼まれたんだ。こんな制服だけど、給料がよくて助かる。何より腕を買っていただいた。それだけでありがたいよ」 整体師として開業するのがこいつの夢だ。そういやこないだ、新しい仕事先ができたと言っていた。力を発揮できると嬉しそうにしていた。真面目なこいつらしくて微笑ましかった。 …が、よりによってこの店かよ。いくら頼まれたからって、女装してまで働かねえよ、フツーは。これも真面目で片付けていいもんなのか…。頼むほうもどうかしてるよな。本当に腕見込んで頼んでんのかな。 そんなことをグダグダ思いつつ、ベッドに横にされて、肩や腕をほぐされながら、俺はこいつを改めて眺めた。メイドリフレってだけあって、こいつもばっちりメイド姿だ。恥ずかしげもなく堂々と接客してるのがこいつらしい。化粧とウィッグで微妙に雰囲気変わってる。 …まあ、元々顔は悪くない奴だし、痩せてるし、一見すると中性的な美人って感じかな。ちょっと腕周りとかきつそうだし、スカートも短いけど。 ……似合ってるとか思うのは、結構可愛く見えたりとかするのは、たぶん俺が頭おかしいんだよな。…たぶん。 ……揉まれるのが気持ちいいのも相まって、なんか変な気持ちになってきた。気を紛らわそうと悪態をつく。 「…可愛い姉ちゃん来てくれると思ったらさあ、お前だもんなあ。詐欺だろこれ。店長訴えてもいい?」 「駄目だ。せっかくの仕事の機会を反故にしないでくれ」 「つーか、喋ったら男だってバレバレだろ。客ドン引きだよ」 「普段はなるべく声を出さないようにしているよ。黙っていれば分からないみたいだな」 「サービストークできないメイドなんて人気なさそうだけどなー」 「そのぶん、技術で満足させるさ」 こいつはそう言ってふっと微笑んだ。 うっ、…な、なんだこの感じ…!女の子に可愛いとか思うのと一緒じゃねえか!……こいつに?どうしちゃったの俺!? おかしい、俺おかしい。メイド姿のこいつを見てから何かがおかしい。なんでこんなに顔が熱いんだよ。…畜生、この部屋に何か変なもん撒いてあるんじゃねえのかよ… 「よし。次はうつ伏せになってくれないか」 内心動揺する俺にはお構いなしに、こいつは次の指示を出した。言われた通り寝返りをうって背を向けると、…あろうことか、こいつは俺を跨いでベッドの上に仁王立ちして、 「い…!?」 突如踵で太股を踏まれ、思わず身体がびくんと反り返ってしまった。 「あででで、なんか痛え!けどくすぐってえ!!うはは、ああ、やめ、」 「ずいぶん張ってるな、かたいぞ…こら、動くなっ」 …少しすると、だんだん押されることが快感になってくる。気持ちいい。うまいな、こいつ、…ていうか踏むの!?こんなこともされんの!? ふと我に返って、自分が置かれている状況を把握した時、俺は軽く混乱した。 メイド姿の、こいつに、踏まれて、……な、なんだよ、なんで俺、こんなに息荒くしてんだよ!!……うー、なんか変態みてえ…泣きそう。 「…ごめん、痛かったかな」 「ち、ちげーよ、踏まれんのが気持ちイイんだよ、…」 眉をひそめて黙りこんだせいか、心配そうな声が頭上から降ってきた。とっさに返した言葉もなんか変態じみてて、余計に泣きそうになる。 対するこいつの声は、ほっとしたものになった。 「そうか、よかった。…それにしてもお前、ずいぶんあちこち凝ってるな。今度、家でも施術しようか?」 「…へ?」 身体を起こして振り向いた俺に、屈みこんだこいつの顔が急接近する。…う、また動悸が… 「むしろ、やらせてくれ。俺はもっと上達したい。練習台にするようで申し訳ないけれど、お前の身体が整うなら一石二鳥だ。未熟な施術だけど…駄目かな」 真摯な眼。…ああ、こいつは格好とかそういうのも全然気にしないで、ただ技術を高めたくて頑張ってんだな、…そう思った。 こいつのそういうとこが、俺は、 「…メイド服着んの?」 って何どうでもいいこと聞いてんの俺ー!!バカすぎるだろ俺!! 「流石に着ないが、…お望みか?」 「い、いや、冗談だからな!」 ちょっとだけ開いた新しい扉を閉じようと必死で頑張る俺の努力を、 「構わないぞ。お姉さんに任せなさい」 こいつは、こいつなりの冗談ととびきりの笑顔で、…あっさり無駄にした。

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