「4-909」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

4-909」(2010/10/21 (木) 14:09:47) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「俺たち友達だよな」 ---- 「…俺たち友達だよな?」 俯いたままぽつりと裕太が問いかけてくる。学ランのポッケに両手を突っ込み、俺の少し前を歩きながら。 びゅうっと冬の痛い冷たさの風が吹いた。俺はなんだか面食らってしまい、変な間があいた。 「な、なんつって。冗談だよ」 「友達だよ」 冗談だよ、のだに被せるようにでかい声で返す。 分かっているつもりだ。裕太は「友達」が欲しいんだ。 ポッケに突っ込んだ両手のこうには、母親にやられた火傷の跡がはっきり残ってることを俺は知ってる。 「俺たちは友達だよ。多分ずっと友達だよ」 鼻が痛い。寒いんだ。俺の首に巻いたマフラーが風で飛びそうになる。 俺が夜に彼をどう想うか、知ったら裕太はどう思うだろう。 絶対に知らせまいと自分の心の中で思って、俺はちょっとしんみりした気配を飛ばすために笑った。 ----   [[「俺たち友達だよな」>4-909-1]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: