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病的に偏執的 ---- 『何時に終わりますか 一緒に飯食いませんか』 携帯の画面に並ぶシンプルな文字、送信ボタンを押せば届いてしまう。 送っていいのか。この時間は駄目かも知れない。見ないだろうか。返事するのは手間だろうに。 こんなメールは迷惑だろう。 だいたい俺はしつこいのではないか、昨日も一緒に飯を食ったのに。 慢心。増長。よくない傾向だ。 俺と飯を食って楽しいわけもない。嫌がられているのではないか。 俺でいいのか。他にいるのではないか。会社のつきあいがあるのでは?それとも女の子? ……俺でいいのか?本当に? つきあいたいと言われた。 信じられない。俺はイケメンでも可愛くも、面白くもない、取り柄も何もない。 そう言ったら、健気だと、いつも頑張っている真面目なところがいいと、言われた。 見ててくれた? 俺のこと?……いやいや、良く見せようと飾っている姿を誤解している。 本当の俺を見せていない。本当の俺を見たら嫌いになる? 他の人を好きになる? あの人に悪い。おこがましい。好かれてるなんて思っちゃいけない。 こんなメールを送ったら他の人と約束できないじゃないか。迷惑。重荷。 まわりに可愛い女の子がいるかもしれないのに。きっと俺のことはなにかの冗談。 遊ばれてる、なんてことどうでもいいけど。俺なんか、きっと遊びでもありがたい。 遊びとしても、俺でいいのか。俺のことを好きだって言った……気の迷い。 俺から言ったんじゃないけど、一般的に見て格好いいイケメンのあんな人が、おかしい。 つきあうっての初めてだからわからない。本当はどうなの。やっぱ……遊びだよなぁ。 本気じゃない。俺だって本気じゃないよ。本気になったら馬鹿みたいだ。 なんか……こんな、こんな感じ、息できないみたいな、少女マンガかよっての。 きっと俺のことなんかどうでもいいはず。一年後にはもう俺の前からいなくなってる。一ヶ月後か? 嫌だ、なんて……思わない。馬鹿みたいだ。きっとこんなの嘘だ。 携帯にメール着信音。 『飯食おー 仕事終わった? 家行って待ってるよ』 ハートの絵文字。 ──どうしても信じられない。一人になってしまうのが怖い。 未送信メールばかりが増えていく。疑いたくない。あの人しかいない。 執着しすぎる自分が怖い。止まらない。 ----   [[放蕩貴族の友人同士>19-349]] ----

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