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キスから始まるミステリー
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「なあ高橋、起きろって」
週末に、俺の住む汚い6畳1間(風呂トイレ付き)で、同じゼミの友人はごろりと仰向けに転がっていた。
すやすやと、規則正しく吐き出される息は、随分と酒臭い。テレビは、今流行りの海外ドラマ6話目を流しいて、繋いだPS2が、DVDを回しながらウィンウィンと音を立てている。
「一人で観てもつまんねーよ」
観たいって言い出したのお前じゃん。
俺はアルコールでふらつきながら、四つん這いで高橋の顔を覗き込んだ。
わりと普通の、でもちょっとだけイケメンの高橋。茶色かった髪を就活で黒く染めたからか、前よりも子供っぽくなった。
そんな高橋をじーっと見つめていた俺は、なんとなく。本当に、なんとなく。
高橋に顔を近付けて、酒臭い唇に、自分の唇をくっつけた。
「………!!!」
瞬間、自分の行動に驚いて跳び上がる。
なにやってんの俺?
なにやってんだ俺!
心臓がやばいくらいドキドキいってって、体中が冷や汗だらけ。
高橋自身は、未だすやすや夢の中。
俺も高橋も男なのに。
なんでこんなこと。
なんでかなんて、小学生でも分かるはずの謎。
けれど、常識や世間体で凝り固まった俺の脳みそは、その謎を解明しないまま、酔った所為だと結論付けた。
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[[華道家とフラワーアレンジメント講師>19-229]]
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