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15-569 - (2009/03/29 (日) 17:42:41) のソース

数学教師と不良生徒
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いや、俺一個人としてはそんなつもりはまったくなく、俺はただのしがない数学教師で、 
去年の4月に生徒指導を任されてからというものずっとワタワタしていたわけなのだ。 
そして運の悪いことにその年には超ドのつく不良が入学してきて。 
えーと、それで俺はその不良に指導しまくって。万引きとかチャチなことばっかりやるもんだから 
なんだか世話したくなってきて、放課後数学教えてやったり、家に呼んで飯食わせてやったり。 
それでその、実はそいつは結構いい奴だとわかって、それで悩みを聞いてやったり。 
入学当初は「オメー」だった呼び名が「先生」になって、ついには下の名前になったりして。 
俺はそれで喜びを覚えたと同時に、近付きすぎたかもしれないと危機感を覚えた。 
俺自身入れ込みすぎていた。生徒にはいつでも平等に。全ての生徒はイコールで結ばれなければならない。これ公式。 
でもその等号の続きが乱れていくのがわかって、俺は揺れた。そして元のイコールに戻そうとした。 
…そうしたら、大人しかったそいつは、3年と小競り合いを起こして。 
いやその、それで俺は叱ろうとして、こう、校舎裏に…なんでだろうな、なぜか校舎裏に行ったんだよ。 
そんで叱り付けようとしたら、そいつが泣いてることに気付いて、ハッとして。 
あんたが冷たいから、なんて言うもんだから何も言えなくなって。 
掴んでいた手首を離そうか離すまいかと迷って、余計に掴む力が強くなって。 
俺って理性的な若手数学教師じゃなかったのか、と思いながら視線を泳がせたら、そいつと目が合って。 
そしたらそいつがどういうわけか目を瞑って。 
どうした、理性的な若手数学教師!とか考えつつ、俺は結局、そいつと唇を合わせ―― 

理性は、どこかに消えてしまった。 
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[[数学教師と不良生徒>15-569-1]]
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