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3-959 - (2010/03/09 (火) 16:29:35) のソース

流されすぎな受!
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「ねぇ、お茶でもしてこうよ」「やだ」 
「じゃ、ご飯食べてこうよ。おごるから」「やだ」 
「そんなら、ホホホ…ホテルにでも行こうか、俺が払うからさ」「……アホかお前」 
 根本的には何も変わらないお誘いを三度とも蹴り飛ばして、僕はすがるように追いかけてくる 
あいつを無視して大股で歩いた。 
「ちぇっ、ツレナイなぁ。せっかくのコイビトのお誘いだってのに」 
「誰がコイビトか、誰が」 
「決まってるじゃない、あ・な・た・と・ワ・タ・シ」 
 妙なしなを作ってウインクされた。はっきり言って気持ち悪い。 
「お前、アホか」 
 同じ悪態をもう一度繰り返す。 
「そうだね……じゃ、いい。俺帰るよ。お休み」 
「わ、分かればいいんだよ分かれば」 
 突然しゅんとうな垂れた情けない顔が、心に突き刺さる。いきなり前言撤回とは、それでも男かお前は。 
「……何だよいきなり」 
 「帰る」と告げた割には立ち止まったまま動かないあいつを振り返って、僕はなるたけ 
突き放すような口調で言った。きれいな八の字眉をつくって、あいつはうな垂れたまま呟く。 
「何だよって、それはこっちの台詞だよ。ほら、アホには用無いんでしょ? 
 早く帰るんでしょ? ばいばい」 
「……」 
 ……結局、今日も押し切られる羽目になる。こいつが「じゃ、いい」を言ったときは、 
決まってそうだ。 
「今日だけだからな。……ホテル代、お前が払えよ」 
「やったー! もー、だから大好き!」 
「公衆の面前で飛びつくな、離れろアホ!」 

 ツレナイだって? 
 ふざけるな、アホ。最初に君が「好き」と言ってくれた日から、流され続けて 
きているのだ、僕は。お前とこうして一緒にいること自体、まず「ツレナイ」なんてありえないのに。 
 それを悟られないように、ぼくは飛びついてきたあいつの頭を思い切り、とびきりの愛を込めて 
はたいてやった。 
 
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