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15-259 - (2009/03/29 (日) 15:26:38) のソース

パティシエの恋
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閉店の片づけを終えた彼は、レジ前の待ち椅子にかけて一息ついていた。 
「おつかれさま」 
僕は彼の前にイートイン用のカップに淹れたホットチョコレートを差し出した。 
「明日からはひな祭りとホワイトデー用のメニューに変えるから、 
余り物処分に協力して」 
「俺、甘いもの苦手なんですけど」 
「なのにケーキ屋でバイトって矛盾してないか?」 
「苦手なものなら、バイトしてても食べたくならないでしょ?」 
「なるほど。でも、コレは甘いの苦手でもいけると思うから試してみてよ」 
「はあ...」 
彼はカップを受け取ると、おそるおそるといった様子で口をつけて、ぱっと 
顔を上げた。 
「これ、美味いです。全然甘くない。砂糖入ってないんですか?」 
「砂糖は少しは入ってるけどね。カカオ分が多くてクローブとシナモン 
を効かせてるから、甘ったるくないでしょ?」 
「ビターな大人の男の味って感じすね!」 
そういう彼の表情はむしろ子供っぽかった。 
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[[パティシエの恋>15-259-1]]
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