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5-329-2 - (2010/10/21 (木) 20:44:45) のソース

<p>50歳の年の差。</p>
<hr /><p>件名:もうすぐ帰れます<br /><br />
本文:<br />
お久しぶり。<br /><br />
予定通りの航行なら、星間往復シャトルの試運機は後少しでそちらに到着できる筈だ。<br />
地面に足をつけるのは何年ぶりだろう?<br />
しばらくは、久々の重力に縛られる生活に戸惑ってしまいそうだな。<br /><br />
それにしても、お前がジジイになってるだなんて、俺は未だに実感がわかないよ。<br />
だって、俺はまだぴっちぴちの30代だぜ? 俺より2つも年下だった筈のお前がジジイって。<br />
学院で耳が痛くなるほど理論は勉強したはずなのに、いざ自分がその立場になるとどうしても信じられない。<br />
いや、もちろん理解はしてるんだけど、お前写真とか音声一切送ってくれないしさ。<br />
つーか、最近はメールすらろくによこさねーだろ。 筆不精なのは知ってるけど、返信くらいしろよ。<br /><br />
地球に戻ったら、一番にお前に会いたい。<br />
お前を見たい。声が聞きたい。抱きしめたい。<br />
とにかく会えるのを楽しみにしてる。<br />
だから、待っててくれ。<br /><br />
*    *     *<br /><br />
――もうすぐ、キミの搭乗しているシャトルが地球へ戻ってくる。<br />
それが嬉しく、けれど何より恐ろしい。<br />
キミにこんな姿を見せたくない。<br />
こんな、変わり果てた姿を。<br /><br /><br />
送られてきたメールの返事を何とか打ちたくて、思うように動かない腕を必死に振り上げる。<br />
キーボードの上を這いずる指先は小枝のように細く枯れて、カサカサに干乾び罅割れていた。</p>
<hr /><p><a href="http://www19.atwiki.jp/910moe/pages/1217.html">やんちゃな不良×ちょっと腹黒い優等生</a></p>
<hr /><p> </p>