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第八話


「あ、ここ!ここ!今日はもう開いてるのかな?」
そう言った琥珀の指さす店、彼女はヒドくその店を気に入っていて週に二回はそこに出入りしているらしい。宮内もその店を知っていて、何度か来ている。
「この店?あぁ、こんなボロボロの店舗でいかにも客が来ませんって面構えした店長がいる店だよな。確か骨董品店だよな?」
「ダメだぞ宮内そんな言い方したら、言うならこう…… 歴史を感じさせる店舗で仕事外の有り余った時間を有意義に過ごせない店長のいる店にしろよな、あとここは一応骨董品店だが雑貨屋的なこともやっていて旅に必要な物はここで全部手にはいるぞ」
「そうなのか?何度か来たことあるけどただの骨董品店にしか思えないけどなぁ」
そそくさと琥珀は宮内の疑問を無視し店へと入ろうとするが、何があったのかすぐに立ち止まった。琥珀の視線の先、あの店の剣、カタナ、壺、皿などがきっちり並べられたショウウィンドウに張り付くようにそれらを眺める少女。いまどき珍しいセーラー服を着た少女、あんなハイカラな物を着ているということはさぞかし裕福な家庭の子供なのだろう、しかし何故こんなへんぴな所にいるのだろう。だがそんなちっぽけな不思議では琥珀が立ち止まるはずがない。理由はその少女の容姿にあった、何かを隠すように被られたベルトを垂す黄色いヘルメットにその奥から流れるさらさらな彼女の髪の毛は吸い込まれるような黒、いや漆黒。そしてガラスに反射して見えるその瞳でさえもどす黒く見つめれば心を溶かされそうなほどに漆黒だった。アレハヒトデハナイ、本能がそう叫んでいた。
「あれ、どうしたらいい?」
「どうするもクソも足がすくんで動けねぇよ!」
すると彼女がこちらに気づいたらしく近づいてくる。彼女は歩きながら声を発する、その声は澄んだ声だがあどけなさの残る声だった。
「さっきから何を話しておるのじゃ、わらわになにか用か?」
「い、いや特に用はないんだけど、もしかしたら君も志願者なのかなって思ってね、こんな小さい子が志願してるなんてビックリだよ」
「いまなんと言った?わらわを小さき童じゃと?人間ごときが何を言うかと思えばわらわを愚弄するとはな、笑わせる。わらわは小さいと言われることが大っ嫌いなのじゃ!」
そう言って細く陶磁器みたいに白い両腕を十字に広げる少女、それを何が起こったのか唖然と見つめる琥珀と宮内。少女が指を動かし始めると、ピアノと同じ音と共にさっきまで地面についていた足が浮き上がり二人は宙に舞い上がる。彼女が指を動かす時にでる音は一音一音音階があってそれは楽曲になっている。確かこの曲はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第三番ト長調のはずだ。
「お主らがわらわを愚弄しなければもっと長生きできたろうに、新大陸に行くことも叶わず散っていくとはな、もっと早く殺すこともできるのじゃが冥土の土産にこの曲を聴かせてやろう」
鼻で二人を笑いつつも指を休めず音を奏で続ける。曲も中盤だろうか急に体中が糸の様なもので締め付けられるような感覚が走る。
「ちょっと!降ろしなさいよ!何なのよ、これ!」
「傷つけたのは謝るから、降ろしてくれよ!」
必死にもがいて必死に説得するも、少女は首を横に振るだけだったし曲が進むに連れて締め付けもヒドくなる。そして終盤、後十五秒ほどでこの曲も終わるのだが二人はもがき疲れて動けなくなっていた。
「こんなとこで終わりなんていやよ、宮内何とかして」
「無理だよ、ほら後七秒で終わる」
そう宮内があきらめの言葉を吐いたときに、そのしゃがれた男の声が聞こえてきた。
「姫!お止めください!罪なき人間を殺すのはいけませぬ!」
「そう、よかったのお主ら、死なずにすんだな」
依然宙ぶらりんの二人は重ねるようにため息をつく。
「おお、そうじゃ、降ろしてやらねばな。爺、アレを」
そう言って爺とよばれた男から渡された球体。中で何かが渦巻くそれに姫と呼ばれた少女は手を突っ込んで何かを引きずり出そうとしている。そうしてでてきた槍、いや両刃の斧にも似たその形状にトゲトゲしく切れ味の良さそうに光る刃。それで二人の周りを斬ると、同時に斬られた所の景色が歪む、あれは多分空間ごと斬っているのだろうが、空間なのですぐに戻る。フッと宙から地に落ちた。
琥珀は尻もちをついたようだ。

作者コメント

姫様は仲間っぽいモノにしようかともくろんでいるネネコです♪
姫様は父上の命令で社会見学をするために新大陸に行こうとしていて爺と共にやってきたのです。
彼女の名前は金剛白鬼(こんごうびゃっき 白という字が入っているのにどす黒い見かけ、名は体を表さないをコンセプトに書きあした!
爺の名前はありません。
彼女たちは鬼の一族でして姫が使っていた技、アレは曲弦糸と言うものです。ピアノ線よりも細い糸を使っていて、爺が止めなければ二人はバラバラになるとこでしたw
ちなみにあの球体の名称ですが波羅縁(ハラヘリにしようかと思います。姫は基本ツンデレで爺は誰にでも優しい感じです。
次の方これを何となくで良いので説明して頂けると幸いです。
乱筆なのに長文すいませんでした。