part22 >>418

【】内の台詞は赤字を、
《》内の台詞は青字をそれぞれ表しています。


カケラ73950173920号 魔女の寝室


 黄金の魔女、ベアトリーチェ。花の1000歳。
 ただ今、猛烈にピンチである。

「いっひっひ! てめえベアトぉ、約束を忘れたわけじゃあねぇだろうなぁ?」
 ふかふかのベッドの上で、部屋には他に誰もおらず、目の前には覆い被さるように迫る男の顔。逃げ場はない。ベアトは二度三度と素早周囲に視線を配ってからようやくそれを悟ると、黄金の魔女に相似しい傲岸不遜な笑み を浮かべた。
「……ふん。妾の提示した赤字に抵触することなく青の真実を構築できたなら、一晩だけ妾を自由にさせてやって もよい――だったな」
「そうだ。いっひっひ、まさか黄金の魔女様ともあろうお方が、二言はねぇよな? 覚悟キメてんだろうなぁ?」
「む、無論よ。ま、魔女に……二言はない!」
 横柄に言ったつもりだったが、盛大にどもった。
 というかなんか半月型の目で手をわきわきさせながら迫ってくる戦人が怖い。
 ベアトは無意識のうちに後ずさり、クッションに背中をぶつけた。それ以上、退路はなかった。
「ま、まあ確かに妾の赤字をどうにか潜り抜けはしたが……その、容疑者XだのトラップXだの、少々無様すぎで はないか? そなたの推理はエレガントさに欠ける。もう少しスマートにできないものか」
「悪魔の証明! ヘンペルのカラス! 屁理屈だらけのトンデモ理論武装は魔女の十八番だろ?」
「う……む、まぁ……」
 言い返せないうちに戦人の手が肩にかかり、ベアトはぐいと強い力で押し倒された。逃げ場を無くすように、獣 の欲情を宿した戦人の視線が真上から降り注ぐ。
 ベアトは思わず腕を前に突き出し、男の欲望から自らの肉体を庇おうとした。しかし彼女の細腕では、ドレスの 下の豊満な乳房は隠しようもなく、また、そんなか弱げな仕草が戦人の本能を殊更に刺激するようだった。
 戦人はベアトのほっそりとした手首を掴み、乱暴にシーツに縫いつける。
「さぁア、覚悟してもらおうかァア、黄金の魔女様よぉぉおおお? 今から一晩、てめぇは家具だ! 俺のダッチ ワイフだ! 楽しませてもらうぜぇええ?」
 まるでヤのつく自由業の人みたいな台詞である。
 ベアトはそんな戦人をフンと気丈にも鼻で笑い、どうにか優位を取り戻そうと内心必死だった。
「ふ、ふん。普段は正義漢ぶって格好つけておるくせに、女を好きにできるとなったらそれか。やれやれ、親に似 て節操のない男よ。まるで野獣ではないか」
「おおよ、野獣で結構。ヤりたい盛りの男子高校生にンな餌チラつかせたてめぇの迂闊さを呪いな。御託は終わっ たか? なら好きにさせてもらうぜ?」
 揶揄して反抗心を煽る作戦も、空振りに終わる。こんなときに限ってロノウェもガァプも七姉妹すら気配も見せ ない。
「くぅ……っ。あ……あーっひゃひゃひゃ! 万年発情期の童貞は辛いなア? だがそんなにがっついてばかりお ると女も逃げて――んんッ」
 なおも悪態をついてなんとか逃げ出そうと考えていたベアトの口を、柔らかなものが遮った。
 戦人の、唇だった。
「ん……っ、ちょ、待て、待――んんっ、んぅ……っ、ん」
 強引に組み伏しているはずなのに、その口付けはどこまでも――優しい。唇をはみ、そっと歯列を割り開き、舌 先でくすぐるようにベアトの悪口を吸い取ってしまう。
 女を屈服させるためのものではない。これではまるで――恋人にするようなキスではないか。ベアトは、困惑し た。
 身を捩り、心を惑わせるその口付けから逃れようとしても、戦人は執拗に追ってきた。壊れ物を扱うよう頬に柔 らかく手を添え、黄金の髪を滑らせながら、角度を変えて何度も何度も音を立てる。
 たっぷり5分ほどもそうやってとろけるような口付けを繰り返し、ようやく戦人が顔を離したとき、だから、ベ アトはすっかり頬を上気させてしまっていた。
 キス一つでこんなにも動揺を見せてしまうなど、残酷無比を誇る黄金の魔女ベアトリーチェらしからぬことであ る。ベアトはどうにか視線からだけでも逃れようと、熱を持たた顔を手のひらで覆い隠した。
「うう……っ、見るな……馬鹿、見るなぁ……っ」
「……そうやって恥じらってる姿はなかなかぐっと来るぜ? いつもそうしてろよ。お前の笑い声は下品すぎるん だよ」
「う、うるさいわ! 童貞のくせに! 童貞のくせに! だ、だいたい妾が気まぐれで仕掛けてやった賭けだとい うのに、無能の分際で調子に乗りおって……!」
 パチン。
 突然、戦人がベアトの目の前で指を鳴らしてみせた。軽やかな音が二人だけの寝室に響く。
「そこで、チェス盤を引っくり返すぜ」
「……な、なに……?」
相手の視点からの思考を読む『チェス盤思考』は、霧江直伝の戦人の得意技だ。殺人ゲームにおいて幾度となく使 われてきたそれが、何故この場面で出てくるのか。それがわからず、ベアトは思わず間抜けな声を出した。
「お前がどうしてこんな賭けを持ちかけてきたのか……ああ、わかってるぜ。ただの気まぐれ、思いつきだって言 うんだろ? だがチェス盤を引っくり返して考えるなら、別の思考が見えてくる」
「な、何が見えるというのか……」
 戦人はニヤリといやらしい笑みを口元に浮かべると、ベアトの白魚のような手を取って、気障ったらしい仕草で その爪先に口付けた。
「お前曰くのヤりたい盛り童貞野郎な俺にそんな賭けを持ちかけて、もし負けでもしたら、どんな展開になるかは
自明の理ってなモンだろ。つまり――」
 再び戦人は前倒しになり、吐息が感じられるほど近くに顔を寄せた。睫毛が触れるか触れないかの至近距離。ベ アトは知らず、息を飲む。
 戦人が、ぞっとするほど艶めかしく、笑んだ。
「――お前は、ただ単純に……俺に抱かれたかったのさ」
「………………な……な……な、な、ななななな!」
 なんという暴論!
 なんという捏造!
 あまりの超理論に反論の言葉すら出ないベアトに、戦人は悪戯めいて笑う。
「なんなら青で言ってやってもいいぜ。《ベアトリーチェが隙間だらけの赤字で右代宮戦人に無謀な賭けを挑んだ のは、右代宮戦人に女として抱かれたかったからである。》ルールだからな、反論は赤で頼むぜ」
「く……お……、ん……」
 ここで言葉を詰まらせるということは、青字の推理を肯定することと同義である。
 にも関わらず、ベアトは詰まった。詰まってしまった。
「反論拒否は肯定と受け取るぜ」
「ま、ま……待て! 待て待て! わかった要求に応える。ん……ごほん、【敗れた場合の結果について決定権を 持つのはそなたであり、妾ではない】! すなわち結果ありきのそなたの推理は単なる憶測の域を出ぬということ だ! どうだ戦人ぁ!」
「へっ、駄目だな。全然駄目だぜ。何故なら【お前は俺のことを万年発情期の童貞男だと言っていた。】その俺に 一晩好きにしていいなどという条件を持ちかけることは、《結果を予測しての挑発に他ならない》! 復唱要求、 “ベアトリーチェはこの結果が全く予想できなかった”! どうだ、言えねぇだろ? これでチェックメイトだ!!」
「う、ぅぅうううううッ」
 復唱できず唸るベアトの唇を、戦人の舌がペロリと舐めた。それは勝利宣言のようだった。
 普段は快活そのものの戦人が、声を潜めるとそれだけで途端にひどく性的に感じられるのが、ベアトには不思議 だった。
「……言えよ。抱いて欲しいって赤で言え。そしたら優しくしてやるぜ?」
「う……ふ、復唱を拒否する。理由は特にない」
 その返答は、たぶん、予測されていた。
 ねっとりと舌が唇を割って侵入し、ベアトのそれを絡め取る。唾液を送り込まれ、彼女は、それを僅かな逡巡の あとで従順に飲み下した。
 それに気を良くしたのか、戦人の掌がドレスの上から乳房に伸ばされる。やわやわと、恐々と、おっかなびっく りに――優しく。
 戦人の手は大きい。にも関わらず、ベアトの乳房はそれに収まりきらないほどに大きかった。
「ふ、ふふふ……やはり真っ先に手をつけるのはそこか。このおっぱいソムリエめ。どうだ、妾の胸は? なかな かに立派であろう」
「ああ。そうだな」
「うひゃひゃひゃひゃ! そうであろう、そうであろう! そなたの如き下賤が妾の胸に触れるなど、本来ならば 叶わぬこと。せいぜい有り難がって――ひゃッ!?」
 調子に乗って馬鹿笑いしていたベアトが急にその下品な笑い声を引っ込めたのは、突然戦人が耳たぶを噛んだか らだった。
 強く噛んだわけではない。甘噛み程度だ。そのまま耳の後ろをチロチロと舌先でくすぐり、ちゅっ、ちゅっ、と 音を立てて首筋を下りていく。
「ぁ、ん……っ、や、やめよ馬鹿っ。くすぐったいわ……あ、ん……ッ」
 いつの間にか後頭部に回されていた戦人の左手が、ベアトの髪を纏めていたヘアピンをひとつひとつ小器用に抜 いていった。全て外し終えると、豊かな黄金の髪がサラリとシーツの上に広がる。髪を下ろしたベアトからは普段 の高慢さは見つけられず、可憐だった。
「……髪、下ろしてるのも似合うじゃねぇか」
「あ、う……、と、当然であろう!」
 その返答に戦人は笑い、黄金の髪の素晴らしき感触を指先で味わってから、その手で彼女の豪奢なドレスを開い た襟の部分からずり下ろす。
「あっ、ちょ、ま、待て待て待て!」
 豊かな白い双球がこぼれ落ちたと思ったのも束の間。慌てたベアトが両腕を交差させて、戦人の視線から隠して しまう。
 戦人は不満を誤魔化しもせず、口を尖らせた。
「……なんだよ。見せろよ」
「あぅ……、そ、そのだな……ほ、本当に……その、する……のか?」
「なんだ、黄金の魔女様ともあろうお人が、今更怖じ気付きやがったのかぁ?」
 いっひっひ、と口の端を吊り上げながら、戦人はベアトの手首を掴み、力ずくで割り開いた。
 瞬間。急速に真剣な面持ちに変わり、真っ直ぐな目でベアトを見下ろす。
「するぜ。ヤる。俺は今からお前を抱く。他に質問は?」
「あ、う……」
 あまりにもキッパリと言い切るその宣言に、ベアトは二の句を失った。大きな掌がゆっくりと己の乳房に沈むの を、黙って見守るしかできなかった。
 ベアトの、血管が透き通って見えるほどに真白い、美しい釣り鐘型の双球が――戦人の指によって、形を変える 。それは驚嘆に値するほど柔らかく、滑らかで、極上の肌触りだった。ふるふると震え、淡く色づいた桃色の乳輪 が指の動きに合わせて踊る様は、いやらしさと同時に神聖な何かを感じさせる。
 触れる戦人の手は、火傷しそうなほどに熱かった。
「あつ……ぅ、ぁ、ふ……っ」
 目を固く瞑り、唇を噛み、乳房を弄ばれる感覚に耐えていたベアトから、押し殺したような声が漏れる。その掠 れた声音に、戦人は堪えようもなく劣情を煽られた。
 興奮の度合いに比例してだろう、鮮やかに赤く色づき始めた乳首はまるで果実のようで、牡の本能を刺激して止 まない。
 だから戦人はその本能に逆らわず、誘われるままに、固く尖り始めているそれを口に含んだ。
「ひゃッ!? ん、は……っ、く……うぅ……ッ」
「……声、出せよ。我慢すんな」
「だ、誰がそなた如き相手に……やッ、かむ、噛むなぁ!」
 戦人はベアトの生意気な口を、乳首に歯を立てることで封じる。途端に飛び跳ねて嬌声を上げるベアトは、まる で生娘のようだった。
 そしてベアトもまた、敏感になり過ぎて苦しいほどの己の肉体の変わりように、混乱を隠せずにいた。
(お、オカシイぞ。いったいどうしたというのか妾は! たかが胸を愛撫されておるだけではないか。それがどう してこんなに――)
「――!? ちょ、待て戦人! ま……、ひ、ぃ……ッ」
 するりとペチコートの中に潜り込んできた熱い掌の感触に、ベアトは思考を中断された。
 掌はその肌で味わうようにゆっくりとベアトの太股を撫で回し、やがて指にショーツの端っこを捕らえる。両端 を結わえていた紐がしゅるりと解ける衣擦れの僅かな音と共に、ベアトのそこが空気に触れた。
 戦人は少しだけ上体を持ち上げ、ベアトの足を開いてその間に入り込むと、その素晴らしい眺めを我が物顔で凝 視する。
「いっひっひ。性悪魔女にしちゃ、綺麗なモンじゃねぇかよ。美味そうだぜ?」
「ッ、馬鹿! くそ……っ、そ、そんなにまじまじと……気安く見るでないわっ!」
 ベアトのそこは、とても千年を生きた魔女のそれとは思えぬほど、少女のように慎ましやかで可憐だった。薄い 陰毛はきちんと美しい逆三角形に処理されていたし、割れ目から僅かにはみ出た外陰部も、透けるようなピンクで ある。
 その可憐な佇まいを見せる割れ目が、とろりとした分泌液によって潤み、戦人の不躾な視線を受けてひくひくと 息づく。
 戦人は蝶が蜜を求めるように淫らな匂いに吸い寄せられ、淡く朱に染まった丘陵に指をあてがうと、その淫裂を をくぱぁ……と開いた。
「ば、馬鹿ぁ! 馬鹿者! 開くな! 見るなぁ!」
 ベアトの姦しい抗議の声を、戦人は陰部に舌を這わせることで妨害する。
 魔女の秘裂は溶けるように甘く、鼻腔に抜ける匂いは例えようもなく淫靡だった。戦人は次から次へと溢れ出す 愛液をちゅうちゅうと音を立てて啜り、息づく膣口を舐め回し、固く勃起した陰核をきつく吸い上げる。
「あく……ッ! やっ、は……! ひん! やめよ、やめ……ひやぁアンッ!!」
 ベアトはもう、声を殺す程度の抵抗すらできない。足を閉じようとも間に戦人の頭が入っているせいでそれも叶 わず、ただシーツに爪を立てながら、与えられる刺激に悲鳴を上げるだけだ。
(何が家具だ! ダッチワイフだ! 道具を相手にこんなに執拗な愛撫を施す馬鹿がどこにいるというのか!)
 しかしその抗議が声となって戦人に届くことはない。口を開けば、途端に艶めかしい嬌声に変わってしまうから だ。
 ベアトのそこに貪るようにしゃぶりつきながら、戦人もまた、我慢の限界を迎えていた。ペニスは痛いほどに固 く勃ち上がり、ズボンを破らんばかりに押し上げている。
 戦人はもつれる指で急くようにベルトを外し、熱を持ってガチガチになったそれを取り出す。
 その光景を視界の隅に入れ――ベアトは「ひっ」と小さく喉の奥で悲鳴を上げた。
「……挿れるぜ」
「ば、戦人、待て」
「挿れるぞ」
「ま、待てと言うに……ま、まだ、こ、心の準備が」
「挿れる」
 短い宣言。
 それとほぼ同時に、にゅるにゅると割れ目を往復していた灼熱の塊が、媚肉の隙間に潜り込んだ。
「ひっ……ぅあ、あああ……ッ!」
「……っ、く……」
 ベアトは喉から絞り出すような嬌声を上げる。
 戦人は息を詰まらせ、小さく呻きを漏らす。
 殺し合い、互いを否定し合う、敵同士だった。今この瞬間も敵同士だ。それなのに――決して交わってはならな いはずの二人は、今こうして一つの熱を感じ合っている。
「べあ……と……っ」
 きつく侵入者を阻む肉襞の中を掻き分けて、戦人はとうとう最深部へ到達した。
 ただでさえ敏感な肉棒を締め付ける柔肉は、その襞ひとつひとつが熱を持っていて、それは今までの人生観全て を引っくり返しかねないほど大きな快感だった。
 ベアトは強烈な異物感が体の深層に至るのを、亀のように縮こまって耐えている。
「ワリぃ……痛いか?」
 ベアトはふるふると首を振る。固く閉じられた瞼には生理的な涙が滲んでおり、戦人は煌めく真珠のようなそれ を、そっと唇で拭った。
 その光景は、互いを尊重して深く愛し合う恋人同士の営みに似ていた。
 戦人は縮こまったままのベアトに何度となくキスの雨を降らせ、その緊張を解きほぐそうとする。瞼、頬、鼻先、 唇。輪郭を辿るように啄み、耳元で囁く。
「……動いていいか?」
 今度はベアトも制止はしなかった。
 金色の頭が躊躇いがちにコクンと頷いたのを見届けると、戦人は彼女の腕を自分の首に巻き付かせた。
「爪、立ててもいいからよ」
「……ん……」
 短い了承を得て、戦人はゆっくりと肉棒を引き抜き――雁首が出るか出ないかのところで、再び柔肉の中に突き 入れた。
「ふアッ、あっ、……ぅん……ッ」
「く……ぁ……っ」
 引き抜くのに1秒。
 また突き入れるのに1秒。
 そんな緩慢な動きであっても、体を走る快感は目眩がするほど大きかった。
 その快楽を貪るように、抽送のスピードは徐々に徐々に速まっていく。
 やがてそれが激しい獣の交わりとなるのにも、それほどの時間を必要としなかった。
「あっ、あっ、あっ! ん、あッ! ばとら……戦人ッ! あっ、やぁあッ!」
 リズムカルに響くベアトの嬌声に、戦人の名が混じり始める。
「ベアト……っ、く、ベアト……!」
 だから戦人も、それに応えるかのように、ベアトの名を呼び続けた。
 瞳は潤み、涎を垂らし、熟れたような真っ赤な頬で戦人を呼ぶベアトの姿は、無限の魔女といった恐ろしの存在 にはとても見えない。
 戦人はくしゃくしゃに乱れる黄金の髪を掻き分けて、ベアトの両頬を掌で包み込んだ。真っ直ぐに、目線を合わ せる。
「ベアト……なぁ、イイか? 気持ちいいか?」
「あっ、あっ、んっ、……気持ち、よくなど……ないぃ……ッ」
「嘘つけよ……顔、めちゃくちゃエロイぜ……っ。なぁ、感じてんだろ? イイって言えよ……赤で言え……!」
「感じてなど……っ、ない……! この、下手くそが……! この妾がっ、そなたの如き……粗末なモノで……ッ、 感じるなどあろうはずがないだろうが……ぁああッ!!」
 どう見ても感じまくっている淫らな表情で、しかし魔女は快感を否定する。
 戦人は奥の奥、子宮の入り口まで亀頭を捻じ込んで、そこをグリグリと突きながら、尚もベアトから快楽の声を 引き出そうとしていた。まるで、それが己の使命だとでも言うように。
「なら復唱要求だ……! “ベアトリーチェは右代宮戦人のモノで快楽を得ていない”……どうだ、言えねぇだろ!? だから感じてるって言えよ! イイって言え! 赤で!!」
「ひぅッ、ぁああ……っ! あッ、ん……ふ、復唱は、拒否……するッ! 理由は……あンッ、特に……にゃいぃ ぃいいッ!!」
 ベアトの淫水と戦人の先走りの混合物が激しい抽送で掻き混ぜられ、結合部で白く泡立つ。荒々しく腰をぶつけ 合う度に、ぐぽっ、ごぷぅッ、と下品な音が鳴った。それもまた、二人の性感を助長した。
「ベアト……! ベアト、ベアト、ベアト……っ、く……っ!!」
「あっ、ああッ、戦人ぁあ……っ! 戦人! 戦人ぁああ!!」
 戦人はベアトの火傷しそうなほど熱い中を貪りながら、ひたすらに彼女の名を叫んだ。いま彼女を抱く男が、間 違いなく自分であることを思い知らせるように。
 ベアトは戦人の首にかじりつき、両腕両足でしがみついて、ひたすらに彼の名を呼んだ。いま彼が貫いている女 が、紛れもなく自分であることを知らしめるように。
 やがて二人はどちらからともなく、互いに絶頂の瞬間が近いことを知る。ベアトの膣内が不規則に痙攣を始め、 戦人のペニスが暴発寸前にまで膨らむ。
「ベアト……っ、ぅあ……ッ、ベアト! ベアトぉ……!!」
「ぁああッ、戦人ぁ……! 戦人ぁ! ひ、ぁあああ……ッ!!」
 戦人は一瞬、中に出すべきか外に出すべきかを悩んだ。
 しかし結局のところ牡の本能には勝てず、己の欲望を忠実に遂行する。

 すなわち、奥の奥まで挿入っていたモノを更に奥のずっと奥まで捻じ込んで――
 ――ベアトの子宮に叩きつけるかのように、射精した。

「あッ、あああぁああ、う、ああぁぁぁあああッ!!」

 そのマグマのような灼熱を子宮に注ぎ込まれる感覚で、ベアトもほぼ同時に昇りつめた。
 膣襞がきゅんきゅんと切なげに収縮を繰り返し、胎内のモノから一滴残らず搾り取ろうと蠢く。
「ぅ……あ、ベアト……っ、くぅ……ッ」
 ベアトの収縮に合わせるように、戦人は断続的に精を放ち続けた。長い長い射精だった。
 オーガズムという言葉は、“小さな死”を意味するという。だからふたりはこの瞬間、確かに同時に死んで、そし て再び蘇ったのだ。
「……ふ、ぁ……っ、この……ッ、いつまで……出しておるのか……!」
「仕方……ねぇ、だろ……っ。く……っ、お前が吸いついて……離れねぇんだから、よ……っ」
「な、だ、誰が……ッ! ん……っ」
 戦人は喚き始めたベアトの唇を、自分のそれで無理やり塞いだ。舌を絡ませ、唾液を啜らせれば、ベアトの抵抗 も徐々に弱くなっていく。
「……さて、と……確か約束は“一晩”だったよなぁ? いっひっひ、まだ夜明けまでは長いぜ?」
「く……っ、こ、このスタミナ馬鹿が……! あ……ッ」
 そうして二つの影は再び重なり合い――何度となく交じり合って――
 ――快楽の底なし沼へ、絡まり合うように沈んでいった。

 ……

 黄金の魔女は、情事の後の気怠さの中で、微睡みからゆっくりと目覚めた。
 傍らには、赤毛の青年がしっかりと両手に魔女を掻き抱きながら眠っている。
 魔女は眠る青年の頬を手で包み込み、その穏やかな寝顔に、そっと触れるだけの口付けを落とした。
 魔女は、青年が――憎かった。
 決して交わることが許されぬ敵同士ということを知りながら、魔女を求め、ただの女としてどこまでも優しく抱 いたこの男が、殺したいほどに憎かった。
 青年は深い眠りに落ちている。だから、腕の中の魔女がどのような表情をしているか、知る術がない。
 ただ固く抱き締めたその腕の締め付けは、捕らえた魔女を二度と離さぬよう強く強く祈っているようにも見えた。
「……さあさ、思い出してごらんなさい」
 魔女は、歌うように力ある言葉を紡ぎ始める。
 その頬を、輝くものが流れた気がした。
「さあさ、思い出してごらんなさい。あなたと私がどんなに憎み合っていたか。どんなにかけ離れた、どんなに遠 い存在であったか。……今夜のことなど、所詮はうたかたの夢。望めぬ夢なら、捨ててしまいなさい。そして思い 出してごらんなさい。あなたと私が、どうやって殺し合っていたのかを――」
 魔女は歌う。魔法の歌を。結して結ばれ得ぬふたりの、悲しき宿業を。
 それは、確かに、魔法だった。


  • いいよすごくいい ベアバトだと?もっとやれ  -- (からあげ) 2009-09-06 17:43:11
  • ベアトがかなり可愛い
    最後が…イイ!
    うん 良作だ!これ! ただ最後悲しい でもそれがイイ! -- (名無しさん) 2009-09-06 23:16:48
  • 最高!!バトベアいいな~ベアト超かわいい! -- (rio) 2009-10-03 18:37:49
  • これいいなー -- (名無しさん) 2009-10-25 11:26:29
  • 良作だ!バトベアマンセー!! -- (匿名) 2010-01-29 20:08:13
  • ベアト可愛すぎ!! 戦人かっこよすぎ!! ww -- (XI) 2010-06-06 15:52:17
  • これはいい!!! -- (名無しさん) 2011-05-15 22:33:42
  • 最高 -- (名無しさん) 2011-11-26 13:54:43
  • バトベア最高!!最後が切なくていい!! -- (名無しさん) 2014-03-26 23:00:31
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