ある時ふと気がついた。
夏妃には長らく子供がいない。
あんな強欲ゴリラの兄にそぐわない物静かな美人だと思っていたが、もしやセックスレス?
右代宮家は跡取りを欲しているというのに。
と、いうことは…
私が婿養子取ったら右代宮家に残れる!
そして…夏妃にもっと近づくことができる!?
家のことについて相談とか兄のことについて相談とかセックスレスの相談持ちかけられて挙句の果てに「要求不満で…絵羽さん…お願い…」なんて潤んだ目で見つめられたり!?
よし、婿を捕る!
そしてお父様を説得して夏妃と同じ一族に!
―数年後―
なんで夏妃孕んでるの!?
跡取りとかそんなめんどくさいことは私が引き受けるのに!
なっちゃんはそんなことで気を病んだりしないで。
頭痛が悪化したらどうするの。
その頭痛を堪えて節目がちになる儚げな仕草はいたたまれなくもあり抱きしめて守ってあげたくもあり、ああ、でも苦痛に眉を寄せる表情は魅惑的で大好きなのに何故だかもっと見せて欲しくてたまに意地悪いってみたりする。
それはこの激しい恋心を周りに感知されないためでもあり、この興奮を得るためでもある。
あー怒ってしまった。
可愛いなあ。
これで娘さえいなきゃあなぁ。
兄とヤってたんかい。
いやいやいや。
ちゃぶ台をひっくり返して考えると、あれはなっちゃんの子ではない。
つまり、やっぱりセックスレス継続中?
つまりなっちゃんは私を待っている?
なによぅ。
あの頑固者のお父様がまさか夏妃を部屋に入れるなんて…
やっぱり右代宮家の血ねぇ。
兄さん、私に続いてお父様まで夏妃に魅せられてしまうなんて。
留弗夫はまぁ新婚だしたぶん手は出さないわね。
あとは楼座…気をつけないと年は離れているけど強かなところもある子だから気をつけないと。
あ、夏妃が出て来た。
またちょっといじめてみよう♪
なによぅ…
いつもの様に私を睨み付けてよぅ…
何でちょっと嬉しそうなの?
お父様は相変わらず出てこないけれど、中で何を話していたの!?
もしかしてまた後で夏妃はここに来る気かしら…
もしくは今、約束を交わしてお父様が夏妃に会いに部屋から出てくる!?
そんなの許せない!
このレシートを使って即席トラップをしかけて…
これで部屋の出入りがあればわかるわ…
レシートは落ちてはいなかった。
夏妃はあの後お父様の部屋へ行ってないし、お父様も部屋から出ていない。
これを材料に少しまたいじめてみよう♪
いつもの様にその美しい顔で睨み付けて頂戴。
え、ちょ、ごめんって。
調子乗りすぎたわぁ。
猟銃振り回すなんて…
もう夏妃ってば、鈍感なんだからぁ…
もうヒデヨシと部屋に篭ってやるんだからぁ。
嫉妬しても知らないわよぅ!
- おぉ…、面白いです!絵羽さんww -- (名無しさん) 2014-04-03 17:37:24
- かわいい… -- (名無しさん) 2017-02-05 12:55:21
最終更新:2010年07月30日 20:29